NYマーケットダイジェスト・20日 FOMC受けて株安・金利上昇・ドル高

(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.34円(前営業日比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.15円(△0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0661ドル(▲0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:34440.88ドル(▲76.85ドル)
ナスダック総合株価指数:13469.13(▲209.06)
10年物米国債利回り:4.40%(△0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=90.28ドル(▲0.92ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1967.1ドル(△13.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
米MBA住宅ローン申請指数(前週比)   5.4%      ▲0.8%
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
               5.25-5.50%で据え置き 5.25-5.50%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前にポジション調整目的の売りが先行し、2時30分前に一時147.48円と日通し安値を付けたものの、FOMC結果公表後はドルを買い戻す動きが活発化した。取引終了間際には一時148.36円と昨年11月4日以来の高値を更新した。
 米連邦準備理事会(FRB)は19-20日に開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では景気認識を「堅調なペースで拡大している」と上方修正したうえで、2023年と24年の成長率見通しを引き上げた。また、政策金利見通し(ドット・チャート)では24年末の予想中央値を5.125%(前回4.625%)、25年末を3.875%(同3.375%)に引き上げた。FRBの金融引き締めが長期化するとの見方が改めて意識されると、米金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。
 なお、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「FRBは金利決定について慎重に進める」としながらも、「今後の決定はデータ次第」「経済活動は予想以上に好調」「適切であれば追加利上げの用意がある」などと語った。

・ユーロドルは続落。米長期金利の指標である米10年債利回りが4.31%台まで低下すると全般ドル売りが先行。1時30分過ぎに一時1.0737ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、FOMCの決定が「タカ派的な据え置きだった」と受け止められると、米金利の上昇とともに一転ドル買いが広がった。市場では「FRBがタカ派色を強めた」との見方もあり、ドル買いを促した。5時過ぎには一時1.0650ドルと日通し安値を更新した。
 なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時4.4070%前後と07年11月以来の高水準を付けたほか、金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは5.1758%前後と06年7月以来の高水準を記録した。

・ユーロ円は小幅ながら3日続伸。欧州株相場の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが先行すると一時158.45円と日通し高値を付けたものの、FOMC後にユーロドルが失速するとユーロ円にも売りが波及した。米国株相場の下落も相場の重しとなり、4時30分過ぎには157.91円付近まで上値を切り下げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。欧州株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、FOMCの決定が「タカ派的な据え置きだった」と受け止められると一転売りが優勢に。市場ではFRBの金融引き締めが長期化するとの見方も広がり、相場の重しとなった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。米長期金利の上昇を背景に、高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。FOMCの決定を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が高まると売りが優勢となった。利回りは一時4.4070%前後と07年11月以来の高水準を付けた。

・原油先物相場は続落。外国為替市場でドル安が進んだ場面では、割安感から92ドル付近まで上昇する場面があった。ただ、FOMCでの決定が「タカ派的な据え置き」と捉えられ、ドルが急反発すると一転して売りが優勢となった。

・金先物相場は5日続伸。FOMCの結果公表を前にドル安が進むと、ドル建てで取引される金に買いが入った。ただ、FOMC後にドルが一転上昇したため、時間外では上げ幅を急速に縮めた。

(中村)
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