NYマーケットダイジェスト・21日 株続落・金利上昇・円高

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.59円(前営業日比▲0.75円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.37円(▲0.78円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0661ドル(横ばい)
ダウ工業株30種平均:34070.42ドル(▲370.46ドル)
ナスダック総合株価指数:13223.98(▲245.15)
10年物米国債利回り:4.49%(△0.09%)
WTI原油先物11月限:1バレル=89.63ドル(▲0.03ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1939.6ドル(▲27.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
4-6月期米経常収支      2121億ドルの赤字 2145億ドルの赤字・改
9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
                   ▲13.5      12.0
前週分の米新規失業保険申請件数   20.1万件    22.1万件・改
8月米中古住宅販売件数
前月比                ▲0.7%     ▲2.2%
年率換算件数             404万件     407万件
8月米景気先行指標総合指数(前月比) ▲0.4%    ▲0.3%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。アジア時間に一時148.46円と年初来高値を付けたことで、海外市場では利食い売りなどが目立った。米国株相場が軟調に推移したこともリスク・オフの円買いを誘った。24時過ぎには一時147.32円と日通し安値を更新した。市場では「明日の日銀金融政策決定会合を前にポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれた。
 ただ、一目均衡表転換線が位置する147.19円付近がサポートとして意識されると147.60円付近まで下げ渋った。

・ユーロ円は4日ぶりに反落。世界的な株価の下落で、投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ユーロ売りが進行。24時過ぎに一時157.03円と本日安値を付けた。

・ユーロ円以外のクロス円の下落も目立った。英中銀(BOE)はこの日、政策金利を現行の5.25%に据え置くことを決めたと発表。金利据え置きは約2年ぶりで、5対4の僅差で決まった。市場では0.25%の利上げ予想が大勢を占めていただけに、発表後はポンド売りで反応。ポンド円は一時180.84円と8月7日以来の安値を更新した。
 また、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)もこの日、政策金利を現行の1.75%で据え置くことを決めたと発表。市場では0.25%の利上げを見込んでいたため、発表後はスイスフラン売りで反応した。スイスフラン円は一時162.99円と8月8日以来の安値を付けた。

・ユーロドルはほぼ横ばい。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時4.4962%前後と2007年11月以来の高水準を記録するとユーロ売り・ドル買いが進行。21時30分過ぎに1.0625ドル付近まで弱含んだ。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.0617ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。ドル円の下落をきっかけに対ユーロでもドル売りが広がると、一時1.0674ドルと日通し高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。前日のFOMCの結果がタカ派的だったとの見方から、米金融引き締めが長期化するとの観測が改めて高まると株売りが優勢となった。米長期金利の上昇で、株式の相対的な割高感が意識されたことも相場の重しとなり、指数は一時380ドル超下げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。前日のFOMCを受けて、米金融引き締めが長期化するとの観測が高まる中、この日も売りが続いた。利回りは一時4.4962%前後と2007年11月以来の高水準を付けた。

・原油先物相場はほぼ横ばい。ロシアがカザフスタンなど4カ国以外へのガソリンとディーゼルの輸出を一時的に禁止したことで買いが先行し、91ドルに迫った。ただ、米利上げに伴う景気減速懸念から需要減への警戒感が高まり、引けにかけて上げ幅を消した。

・金先物相場は6日ぶりに反落。米連邦準備理事会(FRB)による長期的な高金利政策が意識されると、金利のつかない金に売りが集中した。

(中村)
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