ロンドン為替見通し=中東情勢は依然として要警戒、独GDP(前期比)のマイナス幅を注視

 週明けロンドンの為替市場では、依然として中東情勢に気を付けながらの取引は変わらず。経済指標では、欧州最大の経済規模をほこるドイツの国内総生産(GDP)に注目。

 イスラエル軍はパレスナ自治区ガザへの攻撃を強化しており、本格的な地上侵攻も間近と見られている。そういったなか、シリアやレバノンからはハマスを支援する組織がイスラエルに向けてロケット弾を発射し、それらに対する報復攻撃も行われているようだ。地域情勢の不安定化は増すばかりであり、そうなると市場センチメントの改善度合いも弱いままだろう。

 ただし東京見通しでも指摘されたように、先週末に中東リスク拡大のニュースに対しても避難通貨とされるスイスフランの反応は鈍かった。安全資産とされる金への買いは続いているが、為替のほうはある程度織り込みが進んだかもしれず、状況悪化報道でもフランに飛びつくのは一旦待ったほうが良いかもしれない。もちろん、イランが反イスラエル色をより一層強め、もしイスラエル軍との直接の対立ともなれば(そうなる可能性は今のところ低いと思われるが)、リスク回避のフラン買いが再び活発化するだろう。

 ドイツGDPは7-9月期の速報値が発表される。前期比予想は0.2%減と4半期ぶりのマイナス成長が見込まれている。足もとの景気指標もさえないなかで、もしマイナスの深掘りともなれば、リセッション(景気後退)入りへの警戒感が一気に増すだろう。ニューヨーク勢の参入後に発表される10月独消費者物価指数(CPI)速報値の結果次第では、欧州金利の先安観が強まるかもしれない。そうなるとユーロの下値余地は広がりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0609ドル
・ユーロスイスフラン、日足一目均衡表・雲がある0.9603フラン

想定レンジ下限
・ユーロドル、13日安値1.0496ドル
・ユーロスイスフラン、25日安値0.9456フラン


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。