ロンドン為替見通し=英GDP、予想通りでもポンドの買いづらさに繋がるか

 本日のロンドン為替市場では、まずは序盤に発表される英国の経済指標を精査しながらの取引となるだろう。ノルウェーのインフレ指標も発表され、こちらも結果次第でノルウェー・クローネ(NOK)の動意に繋がるか。また昨日同様、東京勢が市場にいる間は本邦通貨当局による円買い介入への警戒(期待?)感は維持されそうだ。

 日本時間16時の英指標では、7-9月期国内総生産(GDP)の前期比に注目したい。四半期成長率は低空飛行が続いているものの、前回まで2四半期連続でプラス圏は維持していた。しかしながら今回は市場予想0.1%減と、4四半期ぶりのマイナス成長が見込まれている。既に一部エコノミストの間ではリセッション(景気後退)入りの可能性が指摘されていたため、ビッグサプライズというわけでもない。しかしながら成長減速を目の当たりにすれば、さすがにポンドの買いづらさには繋がってしまうのではないか。

 なお昨日は英中銀チーフエコノミストでもあるピルMPC(金融政策委員会)委員が、インフレ引き下げのため「金融政策は引き締めを維持する必要がある」と述べた。市場が来年の利下げを織り込でいることについて、「ほぼ容認」と捉えられる発言をした週初とは口調を変えてきた。ただしポンドの反発は限られており、短期金融市場の利下げへの思惑は緩んでいないようだ。

 10月ノルウェー消費者物価指数(CPI)は前年比3.6%上昇が市場予想。見込み通りであれば前回から0.3ポイント加速となるが、同国CPIは4カ月連続で予想比下振れした点には注意が必要だろう。もし予想ほど上昇率が高まらなければ、ノルウェー中銀の前回声明「12月利上げの可能性高い」に対する思惑が後退することになりそうだ。原油安で上値重いノルウェー・クローネ(NOK)の下押しに繋がるかもしれない。

 ほか欧州からは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が日本時間21時30分から予定されている。昨日は米連邦準備理事会(FRB)議長が利上げについて言及しており、その辺りも含めたECBサイドの考えが注目される。

想定レンジ上限
・ポンドドル、9日高値1.2309ドル
・ユーロNOK、5月30日高値圏12.08NOK付近

想定レンジ下限
・ポンドドル、10月19・30日安値1.2090ドル
・ユーロNOK、10月24日安値圏11.77NOK前後


(小針)
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