NY為替見通し=昨年高値151.95円に接近、本邦通貨当局の対応を見極める展開か

 本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクに警戒しながら、昨年高値151.95円に接近しつつあることで、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

 神田財務官は、今月1日にドル円が151円台で推移していた時、「過度な変動にはあらゆる手段を排除せず適切な行動をとる」と述べ、介入に関しては「スタンバイ」と述べていた。そして、「過度な変動」に関して「一方向に一方的な動きが積み重なって、一定期間に非常に大きな動きがあった場合は、過度な変動に当たり得る」と述べていた。すなわち、現状のドル円の151円台での年初来高値を更新している上昇基調は「過度な変動」と解釈できることになる。
 
 市場では、昨年秋の円買い介入の時は、「断固たる措置をとる」という能動的な警告だったが、今回の「スタンバイ」は、やや受動的な意思表示と受け取られている模様で、円安の防衛水準が155円付近まで引き上げられている可能性が指摘されている。

 昨年秋の3回の円買い介入は、ボラティリティーの抑制を名目にしており、ボリンジャー・バンドの+2σ前後で実施されたが、現状の+2σは151.90円付近にある。

 また、中東情勢に関するヘッドラインや今週末17日が期限のつなぎ予算に関するヘッドラインにも警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、10月26-30日の下落幅の倍返しの152.75円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、11月9日の安値の150.77円。



(山下)
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