ロンドン為替見通し=ユーロドル、米金利次第だが8月以来の1.10ドルが視野に

 本日のロンドン為替市場では、独連銀総裁の講演内容を受けた欧州金利動向を序盤に確認しながらも、ユーロドルの方向性は結局、米・中長期金利の上下に影響されることになりそうだ。なお、独仏の景況感を探る指標・消費者信頼感指数は発表されるもののあるものの、通常であれば市場へのインパクトは薄いだろう。

 ナーゲル独連銀総裁は先週、インフレとの闘いは続いているとし「早めの緩和は間違いになる」と言及した。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁も同じような意見であり、ECBのスタンスは今のところ高め金利維持なのだろう。しかしながら、短期金融市場は来年5月、または6月理事会での利下げを織り込んでいる。市場は前のめりになりがちではなるが、足もとのインフレが実際に鈍化基調なことは確かだ。そうなると、かなりタカ派的な発言をナーゲル総裁が述べない限り、金利先安観を後退させるのは難しいかもしれない。

 ただし、欧州金利は低下基調ではあるもののユーロドルは底堅いまま、8月以来の1.10ドル台を狙う雰囲気が高まっている。要は米国サイドの金利先安観の強まりを市場は重要視しているということだ。CMEグループの「フェドウオッチ」でも、米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年5月にも利下げという見方が増えてきた。欧州午後には米金融当局者の講演が複数予定されており、こちらも注目だろう。もっとも、ニューヨーク午後の米7年債入札で相場の雰囲気が変わるかもしれない。

 経済指標は、欧州前半に12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲27.9)、11月仏消費者信頼感指数(予想:84)が予定されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル、8月11日高値1.1005ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0995ドル


(小針)
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