ロンドン為替見通し=ユーロ円、2008年夏以来の水準 円安基調の強さを見定め

 本日のロンドン為替市場では、円安基調がどこまで強まるのかを見定める展開か。もし円売りが更に加速した場合は、本邦通貨当局の対応が注目される。また欧州からは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁を含む複数の金融当局者の講演が予定されている。

 昨日155円台に乗せたドル円は、執筆時点の25日午前も約34年ぶりのドル高・円安水準を更新。ユーロ円も166円台で2008年夏以来の水準であり、円独歩安の様相が更に強まった。そういったなか多くのメディアが、本邦当局による円買い介入への警戒感の高まりを報じている。ただし日銀金融政策決定会合の開催中でもあり、為替介入は財務省管轄ではあるものの当局は動きづらいのではないか。たとえ実施されたとしても、サプライズなき介入はドル円やクロス円に買い場を提供するだけ、という可能性も高そうだ。

 ECB関連では、シュナーベル専務理事やブイチッチ・クロアチア中銀総裁、そしてラガルドECB総裁が講演予定。来週前半にはユーロ圏の1-3月期国内総生産(GDP)や4月消費者物価指数(HICP)が発表される。ECB理事会メンバーにはある程度の結果は伝わっているはずであり、それを踏まえた景気やインフレ見通しが示されるかもしれない。

 ほか、トルコ中銀が金融政策委員会(MPC)を開き、日本時間20時に結果が公表される。主要政策金利は50%で据え置きが市場予想の中心値。しかしながら、エルドアン大統領が支持率回復のためにインフレ抑制を強化するとの見方から、中銀が追加利上げに踏み切る可能性も残ってはいる。声明ではタカ派スタンスが維持されると思われ、また、対ドルで止まらないリラ安について言及があるかも気にしておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0772ドル
・ユーロ円、ピボット・ターニングポイントの167.27円
・リラ円、2月26日高値4.87円

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0658ドル
・ユーロ円、24日安値165.44円
・リラ円、19日安値4.68円

(小針)
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