ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、4日ぶり反落

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は156.72円と前営業日NY終値(157.13円)と比べて41銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した5月米消費者物価指数(CPI)が前月比横ばい/前年比3.3%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.2%/前年比3.4%といずれも予想を下回ったことが分かると、米利下げ期待が再燃。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化し、1時30分過ぎに一時155.72円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が伝わると、米長期金利が低下幅を縮小するとともにドル買い戻しが加速。5時30分前に156.90円付近まで下げ渋った。
 FRBは今日まで開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では「インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている」と強調したうえで、「ここ数カ月は2%の物価目標に向けた緩やかながらもさらなる進展があった」と指摘。前回の「一段の進展は見られていない」から表現を改めた。
 政策金利見通し(ドット・チャート)では2024年末時点の中央値が4.6%から5.1%へ上方修正され、年内の利下げ予想回数は前回3月の3回から1回に減った。25年末は3.9%から4.1%へ上方修正された一方、26年末は前回の3.1%と同じとなった。長期的な水準は2.6%から2.8%に修正された。
 なお、パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「インフレは大幅に緩和したが、依然として高すぎる」「インフレに対する信頼を高めるには、より良いデータが必要」「FRBはインフレのリスクを引き続き大いに注視している」などと発言した。

 ユーロドルは4日ぶりに反発。終値は1.0809ドルと前営業日NY終値(1.0741ドル)と比べて0.0068ドル程度のユーロ高水準だった。米インフレ指標の下振れを受けて米利下げ期待が再燃すると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。24時過ぎに一時1.0852ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、FOMCの結果やパウエルFRB議長の発言が伝わると、米長期金利が低下幅を縮小するとともにドルを買い戻す動きが優勢に。4時30分前には1.0804ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円は5日ぶりに反発。終値は169.41円と前営業日NY終値(168.77円)と比べて64銭程度のユーロ高水準。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、引けにかけては強含んだ。5時30分前に一時169.59円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:155.72円 - 157.37円
ユーロドル:1.0735ドル - 1.0852ドル
ユーロ円:168.66円 - 169.59円

(中村)
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