欧州マーケットダイジェスト・20日 株高・ドル高・円安

(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.88円(20日15時時点比△0.78円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.11円(△0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0707ドル(▲0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:8272.46(前営業日比△67.35)
ドイツ株式指数(DAX):18254.18(△186.27)
10年物英国債利回り:4.057%(▲0.010%)
10年物独国債利回り:2.431%(△0.027%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
5月独生産者物価指数(PPI)
(前月比)   0.0%       0.2%
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
      1.25%に引き下げ   1.50%
ノルウェー中銀、政策金利
     4.50%で据え置き    4.50%
英中銀(BOE)、政策金利
     5.25%で据え置き    5.25%
6月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値)  ▲14.0       ▲14.3

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は堅調。しばらくは158円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。前週分の米新規失業保険申請件数や6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、5月米住宅着工件数など、この日発表の米経済指標が総じて予想より弱い内容だったことが分かると一時158.25円付近まで弱含んだが、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.22%台から4.29%台まで切り返すと一転ドル買いが優勢に。2時前には一時158.91円と4月29日以来の高値を付けた。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りも出た。

・ユーロドルは小安い。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NY勢参入後は全般ドル買いが優勢となり、1時30分過ぎに一時1.0704ドルと日通し安値を付けた。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、6月ユーロ圏消費者信頼感速報値が予想を若干下回ったことが相場の重し。

・ユーロ円はじり高。欧州株高を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。23時30分過ぎに一時170.32円と6日以来の高値を付けた。
 ユーロ円以外のクロス円も上昇が目立った。豪ドル円は一時105.91円と2007年11月以来の高値を付けたほか、NZドル円は97.31円と07年7月以来の高値を更新した。また、カナダドル円は116.04円と4月29日以来の高値、メキシコペソ円は8.69円と7日以来の高値を付けた。

・ポンドドルは軟調だった。全般ドル買いが進んだ流れに沿ったほか、英利下げ観測の高まりを背景にポンド売りが出ると一時1.2659ドルまで値を下げた。
 英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利の据え置きを決めたものの、議事要旨では前回と同様に2人が利下げを主張したことが明らかに。短期金融市場では英利下げ観測が強まった。

・スイスフランは下落。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)はこの日、政策金利を0.25%引き下げて1.25%にすることを決めたと発表。市場の予想は0.25%利下げと据え置きで拮抗していたためスイスフラン売りで反応した。対ドルでは一時0.8926スイスフラン、対ユーロでは0.9573スイスフランまで下落した。なお、SNBは声明で2024年から26年までのインフレ率予測を下方修正したほか、為替介入についても再度言及した。

・ロンドン株式相場は3日続伸。前日の米株式市場が休場で手掛かり難だったことから、小動きで始まったものの、次第に強含んだ。BOEはこの日、市場予想通り政策金利の据え置きを決めたものの、議事要旨では前回と同様に2人が利下げを主張したことが明らかに。英利下げ観測の高まりを背景に株を買う動きが広がった。

・フランクフルト株式相場は反発。フランスなどユーロ圏の政治や財政を巡る過度な懸念が和らぐ中、本日の米国株相場が上昇すると独株にも買いが波及した。個別ではザルトリウス(4.58%高)やシーメンス・エナジー(3.45%高)、アディダス(2.88%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

(中村)
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