欧州マーケットダイジェスト・1日 株まちまち・金利低下・ユーロ安・円高

(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.81円(1日15時時点比▲0.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.09円(▲1.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1062ドル(▲0.0075ドル)
FTSE100種総合株価指数:8276.65(前営業日比△39.70)
ドイツ株式指数(DAX):19213.14(▲111.79)
10年物英国債利回り:3.941%(▲0.062%)
10年物独国債利回り:2.036%(▲0.087%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
8月スイス小売売上高
(前年同月比) 3.2%      2.9%・改
9月スイス製造業PMI
        49.9       49.0
9月仏製造業PMI改定値
        44.6       44.0
9月独製造業PMI改定値
        40.6       40.3
9月ユーロ圏製造業PMI改定値
        45.0       44.8
9月英製造業PMI改定値
        51.5       51.5
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比)   1.8%       2.2%
9月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比)   2.7%       2.8%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。アジア市場では一時144.53円まで上昇する場面もあったが、欧州市場に入り、米長期金利が低下に転じると徐々に弱含んだ。NYの取引時間帯に入り、「イランはイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を準備している」との報道が伝わると、中東の地政学リスクが意識されて米国株相場が軟調に推移。米長期金利も大幅に低下し、為替市場ではリスク回避の円買いが広がった。23時過ぎは一時142.98円と日通し安値を付けた。
 そのあとは143.92円付近まで下げ渋る場面もあったが、イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したことが分かると、再び上値が重くなった。なお、イランがイスラエルを直接攻撃するのは4月以来で、中東における危機が一層拡大するのは避けられない状況となっている。

・ユーロドルは軟調。前日のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁に続き、レーン・フィンランド中銀総裁が「10月会合での利下げの根拠は増した」と述べ、追加利下げに含みを持たせると全般ユーロ売りが先行。NY市場では、中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出て、2時30分前に一時1.1046ドルと日通し安値を更新した。
 イスラエル軍はNY時間午後に「イランがイスラエルに向けてミサイルを発射した」と発表。市場では「イスラエルの反発は必至とみられ、中東の緊迫の度合いを一段と高めた」との声が聞かれた。
 なお、この日発表の米経済指標は9月米ISM製造業景況指数が予想を下回った一方、8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となった。

・ユーロ円はさえない。ECBの追加利下げ観測から全般ユーロ売りが先行。ダウ平均が一時380ドル超下落し、日経平均先物の大幅に下落するとリスク・オフの円買いが活発化。2時30分前に一時158.38円と本日安値を付けた。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1170円安の3万7600円まで下落する場面があった。

・ロンドン株式相場は反発。日本やアジアの主要株価指数が上昇したことで投資家心理が上向き、買いが先行した。ただ、中東の地政学リスクが意識されると伸び悩んだ。原油先物価格の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を下支えした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株も買われた。

・フランクフルト株式相場は続落。指数は最高値圏にあるうえ、中東情勢の緊迫化を背景に利益確定目的の売りが出やすかった。個別ではヘンケル(2.89%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.72%安)、DHLグループ(2.22%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。ECBの追加利下げ観測から独国債には買いが先行。中東の地政学リスクが意識されたのも、相対的に安全な資産とされる独国債の買いを誘った。

(中村)
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