ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ドル円、反発

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は149.13円と前営業日NY終値(148.57円)と比べて56銭程度のドル高水準だった。米長期金利の高止まりなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米国株相場や日経平均先物の上昇も相場の支援材料となった。前日のボスティック米アトランタ連銀総裁のタカ派的な発言を受けて付けたNY午後の高値149.08円を上抜けると、一時本日高値となる149.28円まで値を上げた。ただ、9月米消費者物価指数(CPI)発表直後に付けた149.53円やその日の高値149.55円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
 なお、米労働省が発表した9月米卸売物価指数(PPI)は前月比で予想を下回った一方、前年比で予想を上回った。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比が市場予想と一致し、前年比が予想を上回った。また、10月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は予想を下回った一方、同時に発表された1年先の期待インフレ率は予想を上回るなど、本日発表の米経済指標はまちまちの内容となった。
 市場では「米連邦準備理事会(FRB)が11月も利下げを継続するというマーケットの予想を変える内容ではない」と受け止められた。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前日の83.3%から90%前後に上昇し、据え置きの確率は16.7%から10%前後に低下した。

 ユーロドルは3営業日ぶりに小反発。終値は1.0937ドルと前営業日NY終値(1.0934ドル)と比べて0.0003ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると22時前に一時1.0926ドル付近まで下押ししたものの、オセアニア時間に付けた日通し安値1.0923ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。欧米株高に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入ると1.0952ドル付近まで値を戻す場面があった。
 もっとも、今日の高値はアジア時間に付けた1.0954ドルで値幅は0.0031ドル程度と小さかった。

 ユーロ円は反発。終値は163.12円と前営業日NY終値(162.46円)と比べて66銭程度のユーロ高水準。日米株価指数の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。23時30分過ぎに一時163.41円と本日高値を付けた。ただ、前日の高値163.61円が目先レジスタンスとして働くと伸び悩んだ。

 カナダドルは買いが強まる場面があった。カナダ統計局が発表した9月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が4.67万人増と予想の2.70万人増を上回ったほか、失業率が6.5%と予想の6.7%より強い内容となったことを受けた。米ドルカナダドルは一時1.3725カナダドル、ユーロカナダドルは1.5008カナダドル、カナダドル円は108.61円までカナダドル高に振れた。

本日の参考レンジ
ドル円:148.41円 - 149.28円
ユーロドル:1.0923ドル - 1.0954ドル
ユーロ円:162.31円 - 163.41円

(中村)
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