週間為替展望(豪ドル/ZAR)-NZドル、インフレ率低下で上値重い
◆豪ドル、株安が重しも雇用情勢好調で底堅い
◆NZドル、インフレ率低下受け大幅利下げの予測も
◆ZAR、GNUへの期待高く下値は限定的
予想レンジ
豪ドル円 99.00-103.00円
南ア・ランド円 8.35-8.70円
10月21日週の展望
豪ドルは底堅い動きを予想。今週は中国株式市場が軟調に動くと、リスク回避の動きに敏感な豪ドルの重しになった。ただ、豪準備銀行(RBA)は他国と比較すると利下げに対しては前向きでなく、一方的に豪ドルを売り込むような地合いにはなりにくい。また、今週発表された9月の雇用統計は失業率が予想より低く、新規雇用者数も増加した。さらに、新規雇用の内訳をみても常勤雇用者数が大幅に伸びるなど、雇用情勢が好結果だったことも豪ドルの支えになりそうだ。
来週は豪州からは市場を動意づけるような主だった経済指標の発表予定がないことで、中国の景気浮揚対策で動意づく中国株式市場や、米国の雇用指標、購買担当者景気指数(PMI)、ミシガン大学調査の期待インフレなどの経済指標など、国外の動向が豪ドルを左右する展開になるだろう。なお、来週は経済指標の発表はないが、21日にハウザーRBA副総裁が講演を行う予定。24日にはRBAの年次レポートが公表される。
NZドルは上値が重い。7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前期比で予想を下回ったほか、前年比では予想通りながらも2021年1-3月期以来の低水準を記録した。市場ではすでに来月の利下げは50bpになるとの予想だったが、一部では75bpまで引き下げる可能性も指摘されている。これまで、50bpを超える利下げはコロナウイルスのパンデミック時と2008年のリーマンショックから起こった信用不安以来行われていないが、更に弱い経済指標などが明らかになると大幅利下げが現実味を帯びる。
なお、NZからは22日に9月貿易収支、25日に10月のANZ消費者信頼感指数が発表されるほか、22日にはシルクNZ準備銀行(RBNZ)副総裁、23日(日本時間24日未明)にはオアRBNZ総裁が金融政策について講演を行う予定。インフレ率低下について正副総裁がどのような見解を示すかでNZドルは大きく動意づく可能性がある。
ZARは底堅く推移しそうだ。オセアニア通貨同様に、株安を嫌気し今週は上値が抑えられた。しかし、今週発表された企業信頼感指数が持ち直すなど、国民統一政府(GNU)に対する期待感が根強い。通商政策に厳しいトランプ氏が再選した場合のリスクはあるが、南アへの投資意欲が強いことがZARの支えになるだろう。来週は23日に9月CPIが発表される。8月のCPIは前年比で4.4%、コア指数が4.1%まで低下した、9月は原油価格が低下し、ZARも対ドルで年初来高値の水準を記録していたこともあり、インフレ率はさらに下がる可能性が高い。
10月14日週の回顧
豪ドルはもみ合い。豪ドル/ドルは、週前半は中国株安などを嫌気し約1カ月ぶりに0.66ドル半ばまで下押しした。ただ、その後は好結果の雇用統計を受けて0.67ドル台を回復。下げ止まりを見せている。豪ドル円は100円を挟んで上下した。ZARは対ドルでは17ZAR半ばから後半、対円では8円半ばを中心に上下を繰り返した。ダウ平均が最高値を更新したが、リスク選考の動きには反応が限られている。
◆NZドル、インフレ率低下受け大幅利下げの予測も
◆ZAR、GNUへの期待高く下値は限定的
予想レンジ
豪ドル円 99.00-103.00円
南ア・ランド円 8.35-8.70円
10月21日週の展望
豪ドルは底堅い動きを予想。今週は中国株式市場が軟調に動くと、リスク回避の動きに敏感な豪ドルの重しになった。ただ、豪準備銀行(RBA)は他国と比較すると利下げに対しては前向きでなく、一方的に豪ドルを売り込むような地合いにはなりにくい。また、今週発表された9月の雇用統計は失業率が予想より低く、新規雇用者数も増加した。さらに、新規雇用の内訳をみても常勤雇用者数が大幅に伸びるなど、雇用情勢が好結果だったことも豪ドルの支えになりそうだ。
来週は豪州からは市場を動意づけるような主だった経済指標の発表予定がないことで、中国の景気浮揚対策で動意づく中国株式市場や、米国の雇用指標、購買担当者景気指数(PMI)、ミシガン大学調査の期待インフレなどの経済指標など、国外の動向が豪ドルを左右する展開になるだろう。なお、来週は経済指標の発表はないが、21日にハウザーRBA副総裁が講演を行う予定。24日にはRBAの年次レポートが公表される。
NZドルは上値が重い。7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前期比で予想を下回ったほか、前年比では予想通りながらも2021年1-3月期以来の低水準を記録した。市場ではすでに来月の利下げは50bpになるとの予想だったが、一部では75bpまで引き下げる可能性も指摘されている。これまで、50bpを超える利下げはコロナウイルスのパンデミック時と2008年のリーマンショックから起こった信用不安以来行われていないが、更に弱い経済指標などが明らかになると大幅利下げが現実味を帯びる。
なお、NZからは22日に9月貿易収支、25日に10月のANZ消費者信頼感指数が発表されるほか、22日にはシルクNZ準備銀行(RBNZ)副総裁、23日(日本時間24日未明)にはオアRBNZ総裁が金融政策について講演を行う予定。インフレ率低下について正副総裁がどのような見解を示すかでNZドルは大きく動意づく可能性がある。
ZARは底堅く推移しそうだ。オセアニア通貨同様に、株安を嫌気し今週は上値が抑えられた。しかし、今週発表された企業信頼感指数が持ち直すなど、国民統一政府(GNU)に対する期待感が根強い。通商政策に厳しいトランプ氏が再選した場合のリスクはあるが、南アへの投資意欲が強いことがZARの支えになるだろう。来週は23日に9月CPIが発表される。8月のCPIは前年比で4.4%、コア指数が4.1%まで低下した、9月は原油価格が低下し、ZARも対ドルで年初来高値の水準を記録していたこともあり、インフレ率はさらに下がる可能性が高い。
10月14日週の回顧
豪ドルはもみ合い。豪ドル/ドルは、週前半は中国株安などを嫌気し約1カ月ぶりに0.66ドル半ばまで下押しした。ただ、その後は好結果の雇用統計を受けて0.67ドル台を回復。下げ止まりを見せている。豪ドル円は100円を挟んで上下した。ZARは対ドルでは17ZAR半ばから後半、対円では8円半ばを中心に上下を繰り返した。ダウ平均が最高値を更新したが、リスク選考の動きには反応が限られている。