欧州マーケットダイジェスト・12日 英独株最高値・金利上昇・ユーロ高

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.35円(12日15時時点比△0.82円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.92円(△1.88円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0426ドル(△0.0068ドル)
FTSE100種総合株価指数:8807.44(前営業日比△30.05)
ドイツ株式指数(DAX):22148.03(△110.20)
10年物英国債利回り:4.543%(△0.035%)
10年物独国債利回り:2.477%(△0.047%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は上昇した。米重要指標の発表を控えてしばらくは153円台半ばでのもみ合いが続いていたが、1月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.5%/前年比3.0%と予想の前月比0.3%/前年比2.9%を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数も前月比0.4%/前年比3.3%と予想の前月比0.3%/前年比3.1%より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。
 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」などと述べたことも相場の支援材料となり、一時154.80円まで値を上げた。
 ただ、買い一巡後は若干伸び悩んだ。米長期金利の上昇が一服した影響を受けたほか、市場では「一目均衡表基準線が位置する154.90円や節目の155.00円がレジスタンスとして意識されている」との声が聞かれた。

・ユーロドルは底堅い動き。1月米CPIの上振れをきっかけに全般ドル買いが先行すると一時1.0317ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0292ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。「欧州連合(EU)の貿易担当委員は米国と関税問題の解決を巡り協議する」との一部報道が伝わると、欧米貿易摩擦に対する過度な懸念が後退。全般ユーロ買いが加速した。
 その後、トランプ米大統領が自身のSNSに「プーチン露大統領と本日、電話会談を実施し、ウクライナでの戦争を終結させるための協議を開始することで合意」「互いの国を訪問することを含め、非常に緊密に協力することで合意」と投稿すると、さらにユーロ買いが強まり一時1.0430ドルまで上値を伸ばした。

・ユーロ円は底堅い動き。しばらくは159円台前半でのもみ合いが続いていたが、米物価指標の上振れをきっかけにドル円が上昇するとユーロ円にも買いが波及した。そのあとは米関税を巡り、「EUが米国との交渉による解決策を模索している」と報じられたほか、「米露首脳はウクライナ停戦交渉開始で合意」と伝わり全般ユーロ買いが活発化。3時過ぎには160.97円と1月31日以来の高値を更新した。

・ロンドン株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。1月米CPIの上振れをきっかけに米株価指数先物が急落すると英株にも売りが出たものの、引けにかけては買い戻しが優勢となり上げに転じた。もっとも、指数は史上最高値圏での推移が続いていることから、利益確定目的の売りも出やすく上値は限定的だった。

・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。米重要指標の発表を控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、1月米CPIの上振れをきっかけに米株価指数先物が急落すると独株にも売りが出た。ただ、引けにかけては買い戻しが優勢となり上げに転じた。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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