欧州マーケットダイジェスト・11日 英独株最高値・金利上昇・円安・ドル安

(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.37円(11日15時時点比△0.42円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.63円(△1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0345ドル(△0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8777.39(前営業日比△9.59)
ドイツ株式指数(DAX):22037.83(△126.09)
10年物英国債利回り:4.508%(△0.051%)
10年物独国債利回り:2.430%(△0.068%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP)
(前期比)   ▲0.6%     ▲1.6%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルはしっかり。マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員が「将来も継続的な引き締めを支持」などと発言したことを受けてポンドドルが一時1.2427ドルまで上昇すると、ユーロドルにも買いが波及。英独株価指数が連日で史上最高値を更新する中、リスク・オンのユーロ買い・ドル売りも入りやすかった。
 NYの取引時間帯に入っても、ユーロ買い・ドル売りの流れが継続し前日の高値1.0343ドルを上抜けると一時1.0351ドルまで上値を伸ばした。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会で「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」「米経済は総じて好調」などと述べたが、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見とほぼ同じ内容だったことから、相場の反応は限られた。トランプ米政権の関税政策についても「貿易政策についてコメントすることはFRBの役割ではない」として言及を避けた。

・ドル円は下値が堅かった。欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長はこの日、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入品に25%の関税を課すことを決定したことを受け、「EUとして断固とした相応の対抗措置を取る」と発言。世界経済の混乱や貿易戦争を引き起こすとの懸念から円買い・ドル売りが先行すると、17時30分過ぎに一時151.65円と日通し安値を付けた。
 ただ、リスク回避の動きは長続きせず、前日のNY時間安値151.57円が下値の目処として意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.54%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、前日の高値152.54円を上抜けて一時152.60円まで値を上げた。
 もっとも、200日移動平均線が位置する152.76円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。対欧州・オセアニア通貨中心にドル売りが進んだ影響も受けた。

・ユーロ円は底堅い動き。EUがトランプ米政権の鉄鋼・アルミ関税に対抗措置を講じる構えを示すとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行し一時156.33円付近まで値を下げたが、東京時間に付けた日通し安値156.26円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢となった。英独株価指数が連日で史上最高値を更新する中、リスク・オンの円売り・ユーロ買いも出て一時157.80円まで値を上げた。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸し、史上最高値を更新した。原油先物相場の上昇を背景にシェルなどエネルギー株に買いが入ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株の一角に買いが入った。半面、米国が鉄鋼・アルミニウム製品に対する25%の追加関税適用を決定したことを受けてアングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が売られ、相場の上値を抑えた。

・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。トランプ米政権の関税政策を巡る懸念から小幅に下げる場面もあったが、引けにかけて強含んだ。パウエルFRB議長の米上院銀行委員会での議会証言が1月のFOMC後の記者会見の内容とほぼ同じ内容だったことから、買い安心感が広がった。

・欧州債券相場は下落。株高を受けた。

(中村)
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