欧州マーケットダイジェスト・13日 独株最高値・金利低下・円高

(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.16円(13日15時時点比▲1.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.68円(▲1.20円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0425ドル(▲0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:8764.72(前営業日比▲42.72)
ドイツ株式指数(DAX):22612.02(△463.99)
10年物英国債利回り:4.490%(▲0.053%)
10年物独国債利回り:2.418%(▲0.059%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
1月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比)   ▲0.2%     ▲0.2%
(前年同月比)  2.3%      2.3%
12月英国内総生産(GDP)
(前月比)    0.4%      0.1%
10-12月期英GDP速報値
(前期比)    0.1%      0.0%
(前年同期比)  1.4%     1.0%・改
12月英鉱工業生産
(前月比)    0.5%    ▲0.5%・改
(前年同月比) ▲1.9%    ▲2.0%・改
12月英製造業生産指数
(前月比)    0.7%     ▲0.3%
12月英商品貿易収支
   174.47億ポンドの赤字 189.00億ポンドの赤字・改
12月英貿易収支
    28.16億ポンドの赤字 43.50億ポンドの赤字・改
12月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比)   ▲1.1%     0.4%・改
(前年比)   ▲2.0%    ▲1.8%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い。ロシアによるウクライナ侵略を巡って停戦交渉が始まる見通しとなり、地政学リスクが後退するとユーロ買い・ドル売りが進行。欧州勢参入後もしばらくは底堅い動きが続いた。
 ただ、トランプ米大統領が自身のSNSに「今日は大事な日だ。相互関税!米国を再び偉大に!」と投稿すると、米関税政策などへの懸念が高まりユーロ売り・ドル買いで反応した。その後発表された1月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容だったことが分かると、一時1.0376ドルと日通し安値を更新した。
 もっとも、売り一巡後は一転買い戻しが優勢となり上げに転じた。その後、トランプ米大統領は「相互関税に関する記者会見を13時(日本時間14日3時)に行う」と自らのSNSに再び投稿したものの、CNBCが米政府関係者の話として「トランプ氏が同日発表する関税は発効が今日ではなく数カ月先になる」と報じると、ユーロ買い・ドル売りが活発化。アジア時間の高値1.0440ドルを上抜けて一時1.0445ドルまで上値を伸ばした。

・ドル円は軟調。前日の1月米消費者物価指数(CPI)の上振れをきっかけに急伸した反動で、欧州勢参入後は利食い売りなどが優勢となった。NYの取引時間帯に入り、米経済指標が予想よりも強い内容だったことが分かると、一時154.01円付近まで下げ渋る場面もあったが、買い戻しが一巡すると再び弱含んだ。米長期金利が再び低下したことなどが相場の重しとなり、一時152.93円と日通し安値を更新した。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは米PPI発表後に4.61%台まで上昇したものの、反応は一時的。3時前には4.52%台まで低下した。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の構成要素となる部分が控えめの数字と受け止められ、前日急上昇していた米長期金利が低下した」との声が聞かれた。

・ユーロ円は頭が重かった。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが優勢となり、23時30分過ぎに一時159.32円と日通し安値を付けた。そのあとはユーロドルの上昇につれた買いが入り160.35円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。地政学リスクの後退観測を背景に小高く始まったものの、米関税政策などへの懸念は根強く、買い一巡後は次第に売りが強まった。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。

・フランクフルト株式相場は大幅に4日続伸し、史上最高値を更新した。ロシアが侵略するウクライナでの戦争終結に向けた話し合いが進むとの期待から買いが広がった。「トランプ米大統領が本日発表する関税は、発効が今日ではなく数カ月先になる」との一部報道も好感されたようだ。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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