ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ドル円、続落

 20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は149.64円と前営業日NY終値(151.47円)と比べて1円83銭程度のドル安水準だった。ベッセント米財務長官が米長期債の発行増について「まだ遠い先のことだ」と言明すると、米国債相場が上昇(金利は低下)し全般ドル売りが先行。2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、1月米景気先行指標総合指数が軒並み予想より弱い内容だったことも米長期金利の低下とドル売りを促した。2時30分過ぎには一時149.40円と昨年12月6日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。
 市場では「米長期金利の低下と日銀による早期の追加利上げ観測が重なり、円買い・ドル売りがじりじりと進んでいる」との声が聞かれた。

 ユーロドルは4営業日ぶりに反発。終値は1.0501ドルと前営業日NY終値(1.0423ドル)と比べて0.0078ドル程度のユーロ高水準だった。ベッセント米財務長官の発言や米経済指標の下振れを受けて米長期金利が低下すると、全般ドル売りが優勢に。前日の高値1.0461ドルを上抜けて一時1.0504ドルまで値を上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.34まで低下した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁は「トランプ米政権の関税政策で、コロナ禍と同規模の衝撃につながれば、物価懸念を高めなければならない」と述べたほか、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「このところの経済指標はインフレ期待の上昇傾向を示唆。米連邦準備理事会(FRB)は一段と制約的な金融政策を迫られる可能性がある」と話した。

 ユーロ円は続落。終値は157.16円と前営業日NY終値(157.88円)と比べて72銭程度のユーロ安水準。ドル円の下落につれた売りが先行すると一時156.32円と日本時間夕刻に付けた日通し安値に面合わせしたものの、ユーロドルの上昇につれた買いが入ると157.33円付近まで下げ渋った。

本日の参考レンジ
ドル円:149.40円 - 151.48円
ユーロドル:1.0419ドル - 1.0504ドル
ユーロ円:156.32円 - 157.89円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。