ニューヨーク外国為替市場概況・3日 ドル円、4日ぶり反落

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は149.50円と前営業日NY終値(150.63円)と比べて1円13銭程度のドル安水準だった。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、欧州株相場の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行。21時過ぎに一時151.30円と日通し高値を付けた。
 ただ、2月米ISM製造業景況指数が50.3と予想の50.5を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢に。NY午後に入ると、トランプ米大統領が「日本と中国が通貨安政策を取るなら米国は不当に不利な立場に立たされる」と述べ、両国を名指しして「こうした国に関税を課す」と表明。円買い・ドル売りが活発化した。米国株や日経平均先物の下落に伴うリスク・オフの円買いも入り、三村淳財務官の発言後に付けた149.95円を下抜けると一時149.10円まで下げ幅を広げた。

 ユーロドルは4日ぶり反発。終値は1.0487ドルと前営業日NY終値(1.0375ドル)と比べて0.0112ドル程度のユーロ高水準となった。欧州の主要国が米国とウクライナの関係修復を目指すとの見方から、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが先行。2月米ISM製造業景況指数の下振れと米長期金利の低下も相場の支援材料となり、0時30分過ぎに一時1.0503ドルと日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.1456%前後と昨年12月9日以来の低水準を付けた。
 ただ、トランプ米大統領は予定通り4日にカナダとメキシコに対する関税を発動することを決めたと伝わると、ユーロ売り・ドル買いがやや優勢に。5時30分過ぎに1.0467ドル付近まで伸び悩んだ。

 メキシコペソとカナダドルは急落。トランプ米大統領が「明日、カナダとメキシコに関税を課す」「(発動までに合意できる余地は)全くない」と発言したことを受けた。ドルペソは一時20.7452ペソ、ペソ円は7.20円までペソ安に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4542カナダドル、カナダドル円は102.55円までカナダドル安に振れた。

 ユーロ円は続伸。終値は156.79円と前営業日NY終値(156.27円)と比べて52銭程度のユーロ高水準。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退する中、英独株価指数が史上最高値を更新したことなどが相場の支援材料となり、22時前に一時158.47円と日通し高値を付けた。
 ただ、NY午後に入りトランプ米大統領の発言が伝わると米株式市場でダウ平均が一時920ドル超下落し、リスク・オフの円買いが活発化。5時30分過ぎに156.09円付近まで下押しする場面があった。

本日の参考レンジ
ドル円:149.10円 - 151.30円
ユーロドル:1.0371ドル - 1.0503ドル
ユーロ円:155.93円 - 158.47円

(中村)
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