ニューヨーク外国為替市場概況・6日 ドル円、続落

 6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は147.98円と前営業日NY終値(148.88円)と比べて90銭程度のドル安水準だった。NY市場に入っても日銀の追加利上げ観測を背景に円買いが入りやすかった。2月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が前年同月比103.2%上昇だったことが分かると、明日7日の2月米雇用統計への警戒が高まりドル売りも優勢に。23時過ぎに一時147.32円と昨年10月4日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。急ピッチで下落した反動でショートカバーが入ったほか、ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の全製品に対する関税を延期する可能性」と話したことが相場を下支えし、1時30分前には148.39円付近まで値を戻した。
 もっとも、米国株相場が軟調に推移したことからドル円の上値は重かった。ダウ平均が一時620ドル超下落した場面では147.57円付近まで押し戻された。

 ユーロドルは4営業日ぶりに小反落。終値は1.0785ドルと前営業日NY終値(1.0789ドル)と比べて0.0004ドル程度のユーロ安水準となった。ドイツで国防費増強に向けた債務抑制策の緩和が示されたことをきっかけに独金利上昇が進む中、この日もユーロ買いが入りやすい地合いとなった。「欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいている」との見方が強まったこともユーロ買いを促し、24時過ぎに一時1.0853ドルと昨年11月6日以来4カ月ぶりの高値を付けた。
 ECBはこの日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明文は従来の「金融政策は引き締め的」との表現が「利下げにより企業や家計の借入コストが低下し融資の伸びが加速するなか、金融政策は実質的に制約的ではなくなりつつある」に変更された。
 ただ、NY午後に入ると上値が重くなった。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りなどが優勢となり一時1.0766ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は5営業日ぶりに反落。終値は159.60円と前営業日NY終値(160.63円)と比べて1円03銭程度のユーロ安水準。東京市場では「連合の傘下労組が要求した今年の春闘での平均賃上げ率が32年ぶりの6%超え」との報道をきっかけに、日銀の早期利上げ観測が高まり円高が進んだ。NY市場でもこの流れが継続し、22時過ぎに一時159.19円まで値を下げた。
 前日の安値158.74円が目先サポートとして意識されると、いったんは160.71円付近まで値を戻したが、ユーロドルの下落につれた売りが強まると再び下落。4時前に159.13円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:147.32円 - 149.33円
ユーロドル:1.0766ドル - 1.0853ドル
ユーロ円:159.13円 - 161.28円

(中村)
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