ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、頭重い

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は頭が重い。24時時点では148.32円と22時時点(149.12円)と比べて80銭程度のドル安水準だった。22時前に一時149.19円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。
 トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まる中、一時280ドル超上昇したダウ平均が失速し、350ドル超下落するとドル円にも売りが出た。米長期金利が上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、一時148.28円付近まで下押しした。
 なお、カナダ政府は米国産の鉄鋼とアルミニウムに関税を課すと発表。トランプ関税への報復措置であり、米加貿易摩擦激化への懸念は依然として強い。

 ユーロドルは下げ渋り。24時時点では1.0913ドルと22時時点(1.0878ドル)と比べて0.0035ドル程度のユーロ高水準だった。23時前に一時1.0876ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。米長期金利の上昇が一服した影響を受けた。

 ユーロ円は上値が重い。24時時点では161.86円と22時時点(162.22円)と比べて36銭程度のユーロ安水準。ドル円やダウ平均の失速につれた売りが出た。

 カナダドル円は上げ幅を縮小。22時前に一時103.64円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。米加貿易摩擦激化への懸念が引き続きカナダドルの重しとなり、102.86円付近まで下押しした。
 なお、カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)はこの日、政策金利を現行の3.00%から0.25%引き下げて2.75%にすることを決めたと発表。市場の予想通りとなった。声明では「カナダ経済はインフレ率が2%の目標に近づき、GDPが底堅く拡大し、2025年を堅調な状態で迎えた」としながらも、「貿易摩擦の激化と米国による関税の導入により、経済活動のペースが鈍化し、インフレ圧力が高まる可能性」「政策環境が急速に変化しているため、経済見通しは引き続き通常よりも不確実性にさらされている」との見解を示した。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:147.68円 - 149.19円
ユーロドル:1.0876ドル - 1.0930ドル
ユーロ円:161.16円 - 162.36円

(中村)
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