東京為替見通し=トランプ関税の影響と共に、年度末を意識した動きか

 26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、2月米耐久財受注額が予想を上回り、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化すると150.75円まで上昇した。ユーロドルは、米経済指標の上振れや米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いのほか、米政権の関税政策への懸念も重しとなって5日以来となる1.0744ドルまで下落した。

 本日の東京時間では、経済指標の発表は対外対内証券売買契約等の状況くらいと少なめ。ドル円は日銀の早期利上げ観測がくすぶるなか、トランプ関税の影響を見極めつつ、株価や時間外の米長期金利を眺めることになるか。

 本日朝方、トランプ米大統領が自動車関税に関する大統領令に署名したことで、来月2日から自動車関税が発動し、3日より徴収される見通し。トランプ米大統領が「米国外で生産された自動車に25%の関税を課す」と発言したことを受けて、ゼネラルモーターズ(GM)やフォード、ステランティスなど自動車株が時間外取引で急落している。東京市場でも自動車株の下げ主導で日経平均が下げ幅を拡大することがあれば、ドル円をはじめクロス円全般の重しとなる事も考えられる。株価動向には注意したい。

 また昨日は、良好な米経済指標を受けたほか、米国による関税引き上げが物価高をもたらすとの見方もあり、米長期金利が上昇している。NY市場ではドル高の流れとなったことからも、時間外の米長期金利が上昇する場面では、ドル高が想起されてドル円が買われる展開もあり得る。

 他方、昨日の欧州市場では、日銀審議委員に就任した小枝淳子氏の発言に反応して円高が進む場面が見られた。昨日、新発10年債利回りは一時1.585%と2008年10月以来の高水準を付けており、一段と金利が上昇する場面では円が買われる展開もあり得る。本邦金利市場の動きにも警戒しておきたい。

 需給面では、本日は期末・年度末のスポット応答日にあたる。仲値公示にかけて需給主導の動きとなる恐れがある点には注意が必要だろう。

(川畑)
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