今日の株式見通し=軟調か 米国株は大幅安で為替市場では円高が進行

 東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は699ドル安の39669ドルで取引を終えた。AI用グラフィックプロセッサー「H20」に関して、米政府が中国向け輸出を禁止したことに伴い費用を計上すると発表したエヌビディアが大幅安。オランダASMLの決算が失望となったこともあり、半導体株が下げを主導した。パウエルFRB議長の講演内容が早期の利下げ期待を高める内容とならなかったことも、失望売りを誘った。米10年債利回りは低下しており、為替市場ではドル安(円高)が進行。ドル円は足元141円90銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて85円安の33835円、ドル建てが30円高の33950円で取引を終えた。

 トランプ大統領の出席がサプライズとなった日米の関税交渉に関して、トランプ大統領は会談後に自身のSNSに「大きな進展があった」と投稿している。ただ、具体的な内容についてはまだ伝わっておらず、何らかのニュースが出てきた際には振れ幅が大きくなる可能性がある点には留意したい。

 エヌビディアが大きく下げるであろうことは、東京市場ではきのう先んじて消化している。ただ、パウエルFRB議長の講演が米国株にフレンドリーに作用しなかったことと、円高が進行していることはネガティブ。大幅安にはならないとしても、腰の入った買いは期待しづらく、マイナス圏で推移する時間が長くなると予想する。本日は14時半にTSMCが決算を発表予定。日本株はきのうの後場にASMLの決算に神経質な反応を見せているだけに、これを確認するまでは身構える状態が続くと思われる。引け後にはディスコが決算発表を予定しており、TSMCの決算に対する反応が悪いようだと、終盤にかけて下を試しにいく展開も想定される。場中は弱材料に敏感となり、不安定な動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは33500円-34200円。

(小針)
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