ロンドン為替見通し=休場明けの欧州株・債券を見定め、独債に資金向かうか

 本日のロンドン為替市場では、イースター明けの欧州株・債券市場の動きをまず見定めながらの取引か。昨日は連休明けのニューヨーク株式市場が急落し、米長期債価格も下落(利回りは上昇)した。米資産売りはドル相場の重しとなったものの、既にユーロドルは日本時間夕刻に2021年11月以来の高値1.1573ドルを付けていたこともあり、NY時間では上値を切り下げている。

 トランプ米政権の関税を含めた政策を市場が嫌気されていることや、大統領が米連邦準備理事会(FRB)トップを解任させようとする動きが米資産離れに繋がっているようだ。今後は、これまで安全資産とされた米国債から流出した資金がどこに向かうのかに注目したい。通常であれば、米国の短期金融市場が資金の滞留場所として選ばれることにはなる。

 しかしながら今回は、中銀が独立性を維持できるかにまで問題が及んでおり、市場の警戒感はかなり根強そうだ。FRB議長の解任が現実味を帯び始めるようであれば、米金融政策の先行き不透明感の高まりは避けられない。そうなると、投資家が米国から資金を一旦引き上げる流れが加速するだろう。それらが向かう候補の1つは、欧州の安全資産・ドイツ国債だと思われる。独長期価格が上昇(利回りは低下)し始めた場合、ユーロドルの底堅さに繋がるのではないか。

 なお本日のNY勢参入後となる欧州午後には、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が米CNBCに出演予定。トランプ関税に絡んだ内容だけでなく、パウエルFRB議長に対するトランプ大統領の態度についても質問されるのではないか。ECB総裁は当然、中銀の独立性維持の大切さを強調するだろう。それを聞きつけたトランプ大統領の発言に気を付けたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1573ドルを超えると2021年11月4日高値1.1617ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート1の1.1408ドル


(小針)
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