ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、続伸

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は133.42円と前営業日NY終値(133.02円)と比べて40銭程度のドル高水準だった。10日発表の7月米消費者物価指数(CPI)が下振れしたことで、米インフレがピークアウトしたとの見方が浮上。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ減速期待から週半ばにかけては円買い・ドル売りが進んだ。ただ、本日は週末を前にポジション調整目的のドル買いが優勢となり、20時30分過ぎに一時133.89円まで値を上げた。FRB当局者らがインフレに対して引き続き警戒感を示していることも相場を下支えした。
 その後発表された8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が55.1と予想の52.5を上回ったことが分かると133.87円付近まで再び強含んだものの、日通し高値133.89円には届かず。引けにかけては133.42円付近まで押し戻された。市場では「夏季休暇に入っている投資家が多く、商いは低調だった」との声が聞かれた。
 なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁はCNBCとのインタビューで、「インフレが抑制された状況の持続を確認することを望む。それまでは金利を制限的な領域に移行させる必要がある」「インフレが一定期間、目標の2%で推移することを確認したい」などと述べ、「利上げを継続する必要がある」との考えを示した。

 ユーロドルは5営業日ぶりに反落。終値は1.0259ドルと前営業日NY終値(1.0320ドル)と比べて0.0061ドル程度のユーロ安水準だった。今週発表の米インフレ指標の下振れで、週半ばにかけてはユーロ買い・ドル売りが進んでいたが、本日は週末を控えたポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが優勢となった。良好な米経済指標を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが出た面もあり、24時前に一時1.0238ドルと日通し安値を付けた。ユーロスイスフラン中心にユーロクロスが下落した影響も受けた。
 なお、エネルギー供給不安が高まる欧州では、日照りが続く独ライン川の水位が低下し、ロシア産化石燃料の代替エネルギー源である石炭の水上輸送が困難な水準に近づいている。厳しい熱波が物流の大動脈に深刻な影響を及ぼしているという。

 ユーロ円は反落。終値は136.88円と前営業日NY終値(137.30円)と比べて42銭程度のユーロ安水準。全般ユーロ売りが進んだ流れに沿って一時136.87円と本日安値を付けた。なお、ユーロスイスフランは一時0.9655スイスフランと2015年1月のスイスショック以来の安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:132.89円 - 133.89円
ユーロドル:1.0238ドル - 1.0327ドル
ユーロ円:136.87円 - 137.72円

(中村)
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