欧州マーケットダイジェスト・26日 株大幅安・独金利上昇・ドル底堅い
(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=137.33円(26日15時時点比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=136.92円(△0.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9969ドル(△0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:7427.31(前営業日比▲52.43)
ドイツ株式指数(DAX):12971.47(▲300.49)
10年物英国債利回り:2.602%(▲0.015%)
10年物独国債利回り:1.390%(△0.073%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動きとなったが、結局上昇した。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが予想を下回ると円買い・ドル売りが先行。前日には「データ次第では9月に0.75%利上げの可能性もある」と発言していたボスティック米アトランタ連銀総裁が「0.50%の利上げに傾いている」と述べたこともドル売りを促し、しばらくは軟調に推移した。
その後、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議での講演で「9月の利上げ幅はデータ次第」としながらも、「早急な緩和のリスクを歴史が警告」「景気抑制の政策は一定期間必要になる可能性」と述べ、高金利をしばらく維持する方針を示すと一気にドル買いが強まり137.34円まで急上昇した。
パウエル氏の講演が10分程度で終了すると「材料出尽くし」として、いったんはドル売りが優勢となり、一時136.23円と日通し安値を更新したものの、目先の売買が一巡すると米長期金利が上昇し米国株相場が急落。為替市場では再びドル買いが優勢となった。2時過ぎには一時137.46円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは行って来いの展開だった。「複数の欧州中央銀行(ECB)当局者は来月8日の定例理事会で、通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論したい意向」との観測報道をきっかけに、欧州金利の急騰とともにユーロ買いが先行。パウエル氏の講演終了後にドル売りが強まったタイミングで一時1.0090ドルと本日高値を付けた。
ただ、そのあとは米金利上昇と欧米株価の急落を睨みながら再びドル買いが優勢に。欧州の天然ガス価格が過去最高値を更新し、ユーロ圏の深刻なエネルギー危機が警戒される中、域内景気の減速を懸念したユーロ売りも出やすかった。2時30分過ぎには一時0.9959ドル付近まで下押しした。
なお、欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は1.9%超下落したほか、ダウ平均は一時710ドル超下げた。
・ポンドドルは一転下落。パウエル氏の講演終了後にドル売りが強まったタイミングで一時1.1901ドルと日通し高値を付けたものの、そのあとはドル買いが進んだ流れに沿って1.1745ドルと日通し安値を更新した。
英規制当局のガス電力市場監督局(Ofgem)はこの日、10月から英国のエネルギー価格の上限を引き上げると発表。エネルギー価格上昇が英景気を圧迫するとの懸念からポンド売りが出やすい面もあった。
・ユーロ円は伸び悩み。ECBの大幅利上げ観測を背景にユーロ買いが入ったほか、ドル円の上昇につれた買いが入り一時137.96円と日通し高値を付けた。ただ、欧米株価が軟調に推移すると徐々に円買い・ユーロ売りが入り136.77円付近まで上値を切り下げた。
・ロンドン株式相場は反落。パウエルFRB議長の講演を控えてしばらくはもみ合いの展開となっていたが、パウエル氏の発言を受けて米国株が急落すると英株にも売りが波及した。バークレイズやロイズ・バンキングなど金融株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに大幅反落し、7月19日以来の安値となった。パウエルFRB議長の講演を控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、パウエル氏の発言をきっかけに米国株が急落すると独株にも売りが波及。ECBの大幅利上げ観測が台頭したことも株売りを促し、大きく値を下げた。個別ではハローフレッシュ(7.21%安)やRWE(6.24%安)、ボノビア(5.72%安)などの下げが目立ち、ポルシェ(0.42%高)を除く39銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。欧州天然ガス価格が過去最高値を更新し、インフレ加速の懸念が強まると独国債に売りが出た。来月のECB理事会で0.75%の利上げを議論する可能性があると伝わったことも売りを誘った。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=137.33円(26日15時時点比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=136.92円(△0.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9969ドル(△0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:7427.31(前営業日比▲52.43)
ドイツ株式指数(DAX):12971.47(▲300.49)
10年物英国債利回り:2.602%(▲0.015%)
10年物独国債利回り:1.390%(△0.073%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動きとなったが、結局上昇した。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが予想を下回ると円買い・ドル売りが先行。前日には「データ次第では9月に0.75%利上げの可能性もある」と発言していたボスティック米アトランタ連銀総裁が「0.50%の利上げに傾いている」と述べたこともドル売りを促し、しばらくは軟調に推移した。
その後、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議での講演で「9月の利上げ幅はデータ次第」としながらも、「早急な緩和のリスクを歴史が警告」「景気抑制の政策は一定期間必要になる可能性」と述べ、高金利をしばらく維持する方針を示すと一気にドル買いが強まり137.34円まで急上昇した。
パウエル氏の講演が10分程度で終了すると「材料出尽くし」として、いったんはドル売りが優勢となり、一時136.23円と日通し安値を更新したものの、目先の売買が一巡すると米長期金利が上昇し米国株相場が急落。為替市場では再びドル買いが優勢となった。2時過ぎには一時137.46円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは行って来いの展開だった。「複数の欧州中央銀行(ECB)当局者は来月8日の定例理事会で、通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論したい意向」との観測報道をきっかけに、欧州金利の急騰とともにユーロ買いが先行。パウエル氏の講演終了後にドル売りが強まったタイミングで一時1.0090ドルと本日高値を付けた。
ただ、そのあとは米金利上昇と欧米株価の急落を睨みながら再びドル買いが優勢に。欧州の天然ガス価格が過去最高値を更新し、ユーロ圏の深刻なエネルギー危機が警戒される中、域内景気の減速を懸念したユーロ売りも出やすかった。2時30分過ぎには一時0.9959ドル付近まで下押しした。
なお、欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は1.9%超下落したほか、ダウ平均は一時710ドル超下げた。
・ポンドドルは一転下落。パウエル氏の講演終了後にドル売りが強まったタイミングで一時1.1901ドルと日通し高値を付けたものの、そのあとはドル買いが進んだ流れに沿って1.1745ドルと日通し安値を更新した。
英規制当局のガス電力市場監督局(Ofgem)はこの日、10月から英国のエネルギー価格の上限を引き上げると発表。エネルギー価格上昇が英景気を圧迫するとの懸念からポンド売りが出やすい面もあった。
・ユーロ円は伸び悩み。ECBの大幅利上げ観測を背景にユーロ買いが入ったほか、ドル円の上昇につれた買いが入り一時137.96円と日通し高値を付けた。ただ、欧米株価が軟調に推移すると徐々に円買い・ユーロ売りが入り136.77円付近まで上値を切り下げた。
・ロンドン株式相場は反落。パウエルFRB議長の講演を控えてしばらくはもみ合いの展開となっていたが、パウエル氏の発言を受けて米国株が急落すると英株にも売りが波及した。バークレイズやロイズ・バンキングなど金融株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに大幅反落し、7月19日以来の安値となった。パウエルFRB議長の講演を控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、パウエル氏の発言をきっかけに米国株が急落すると独株にも売りが波及。ECBの大幅利上げ観測が台頭したことも株売りを促し、大きく値を下げた。個別ではハローフレッシュ(7.21%安)やRWE(6.24%安)、ボノビア(5.72%安)などの下げが目立ち、ポルシェ(0.42%高)を除く39銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。欧州天然ガス価格が過去最高値を更新し、インフレ加速の懸念が強まると独国債に売りが出た。来月のECB理事会で0.75%の利上げを議論する可能性があると伝わったことも売りを誘った。
(中村)