株式明日の戦略―ジャクソンホールは株安イベントに、大型グロースに再度の試練
29日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は762円安の27878円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり174/値下がり1635。相対的にバリュー株の動きが良く、原油高を手がかりにINPEX、コスモエネルギー、出光興産などが上昇。ドル高・円安の進行を受けて、三菱自、マツダ、SUBARUなど自動車株に買いが入った。三菱UFJや三井住友など銀行株は下落ではあったが、主力株の中では底堅い動き。米国の金融引き締めが長期化するとの観測が下支えとなった。金融庁が金融教育を国家戦略として推進するとの観測報道を受けて、ZUU、ブロードマインド、ウィルソンラーニングなどが関連銘柄として人気化し、ストップ高まで買い進まれた。
一方、グロース株が軒並み安となっており、レーザーテック、東京エレクトロン、エムスリーが5%台の下落。メルカリは6%台の下落となった。キーエンス、ダイキン、リクルート、ソフトバンクGなども大幅安。材料のあったところでは、小売子会社の債務超過観測が浮上した東電HDや、資本金を1億円に減資すると発表したHISが大きく売られた。全面安の地合いの中で、プレイドとタカチホの2銘柄が2桁の下落率。ただ、両銘柄とも直近で商いが膨らんで値動きが大きくなっており、日経平均が700円超下げた割には暴落銘柄は少なかった。
26日の米国株の大幅安に関しては、ジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演が、時間が短かった上にリップサービスもなかったことで、下への反応が強めに出てしまったようでもある。とは言え、事前にそれほど楽観に傾いていなかったことを鑑みると弱すぎる。きょう、それなりに強い反発が見られないと、少なくとも9月FOMC(9/20~21)辺りまで米国株の基調は下との見方が強まりやすい。きょうの日経平均は後場は値を保ったものの、下げ止まったとまでは言えない。200日線(27526円、29日時点)を割り込んでしまうとそのことが売りを誘いやすくなるだけに、米国株の反発力が鈍いようだと厳しい局面を迎える展開も想定される。
やや意外であったのは、上述のように10%以上下げた銘柄が少なかったことと、その逆で金融教育関連などでは難なくストップ高まで上昇した銘柄も多かったこと。業種別でも33業種中、石油との連動性が高い鉱業と石油・石炭の2業種はプラスで終えた。仮にこの先、全体が調整色を強める状況になったとしても、大型グロースとそれ以外では濃淡がつく可能性がある。まずは26日の米国株が下げすぎで、その反動によりあすは大幅高という展開に期待したいが、そうならなかった場合には、バリュー株や中小型株などにしっかりとした動きが見られるかという点を注視しておきたい。
(小針)
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり174/値下がり1635。相対的にバリュー株の動きが良く、原油高を手がかりにINPEX、コスモエネルギー、出光興産などが上昇。ドル高・円安の進行を受けて、三菱自、マツダ、SUBARUなど自動車株に買いが入った。三菱UFJや三井住友など銀行株は下落ではあったが、主力株の中では底堅い動き。米国の金融引き締めが長期化するとの観測が下支えとなった。金融庁が金融教育を国家戦略として推進するとの観測報道を受けて、ZUU、ブロードマインド、ウィルソンラーニングなどが関連銘柄として人気化し、ストップ高まで買い進まれた。
一方、グロース株が軒並み安となっており、レーザーテック、東京エレクトロン、エムスリーが5%台の下落。メルカリは6%台の下落となった。キーエンス、ダイキン、リクルート、ソフトバンクGなども大幅安。材料のあったところでは、小売子会社の債務超過観測が浮上した東電HDや、資本金を1億円に減資すると発表したHISが大きく売られた。全面安の地合いの中で、プレイドとタカチホの2銘柄が2桁の下落率。ただ、両銘柄とも直近で商いが膨らんで値動きが大きくなっており、日経平均が700円超下げた割には暴落銘柄は少なかった。
26日の米国株の大幅安に関しては、ジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演が、時間が短かった上にリップサービスもなかったことで、下への反応が強めに出てしまったようでもある。とは言え、事前にそれほど楽観に傾いていなかったことを鑑みると弱すぎる。きょう、それなりに強い反発が見られないと、少なくとも9月FOMC(9/20~21)辺りまで米国株の基調は下との見方が強まりやすい。きょうの日経平均は後場は値を保ったものの、下げ止まったとまでは言えない。200日線(27526円、29日時点)を割り込んでしまうとそのことが売りを誘いやすくなるだけに、米国株の反発力が鈍いようだと厳しい局面を迎える展開も想定される。
やや意外であったのは、上述のように10%以上下げた銘柄が少なかったことと、その逆で金融教育関連などでは難なくストップ高まで上昇した銘柄も多かったこと。業種別でも33業種中、石油との連動性が高い鉱業と石油・石炭の2業種はプラスで終えた。仮にこの先、全体が調整色を強める状況になったとしても、大型グロースとそれ以外では濃淡がつく可能性がある。まずは26日の米国株が下げすぎで、その反動によりあすは大幅高という展開に期待したいが、そうならなかった場合には、バリュー株や中小型株などにしっかりとした動きが見られるかという点を注視しておきたい。
(小針)