株式明日の戦略―3日続落で週間では990円安、来週は原油や長期金利に神経質な展開か

 2日の日経平均は3日続落。終値は10円安の27650円。

 ドル円は今週24年ぶりの円安水準となり、140円台に乗せた。今年のマーケット全体の大きな動きとしては、(1)米国の長期金利が上昇、(2)原油価格が上昇、(3)ドル高・円安が進行―という点があるが、米国の10年債利回りや原油価格は、高止まりはしているものの、足元で今年のピーク水準は超えていない。その中で、ドル円は新たなステージに入ってきた。来週はECB理事会があり、タカ派色の強いメッセージが届けれられた場合には、円安要因となり得る。ドル円のボラティリティは大きくなるとみておいた方が良い。日本株に関しては、これを「悪い円安」と捉えることなく円安恩恵のある銘柄を素直に買う動きが出てくるかが注目される。

【来週の見通し】
 軟調か。米国は5日がレーバーデーで休場。この日にOPECプラス会合が予定されており、8日にはECB理事会が開催される。原油と長期金利を刺激しそうなイベントがあり、世界的に不安定な地合いが想定される。ECB理事会では大幅利上げが決定されるとの見方が強い。ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長発言は株式市場を突き放した印象を与えたが、米国だけでなく欧州の金融引き締めも強く意識される可能性が高く、株式市場には逆風となるだろう。金利に神経質な地合いが続く中で、市場の目線は早くも20日~21日のFOMCに向かうことになると思われる。買いが入ってもリバウンド程度にとどまり、下振れへの警戒が強い状況が続くと予想する。

【今週を振り返る】
 軟調となった。パウエルFRB議長がジャクソンホール会合の講演でインフレ抑制に向けた強い姿勢を示したことから、26日のダウ平均は1000ドルを超える下落。これを受けた週明け29日の日経平均は700円を超える下落となった。以降も米国株の下げが止まらず、金融引き締めへの警戒が日増しに高まった。日経平均は8月30日には大幅高となり、31日は大幅安スタートから持ち直すなど、底堅さを発揮する場面もあった。しかし、9月相場に入った1日は400円を超える下落となり、2日も買い先行から失速するなど、後半はリスク回避ムードが強まった。日経平均は週間では約990円の下落。週足では、2週連続で陰線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、7月家計調査、7月毎月勤労統計調査、30年国債入札(9/6)、7月景気動向指数(9/7)、4-6月期GDP確報値、8月都心オフィス空室率、8月景気ウォッチャー調査(9/8)、メジャーSQ、8月マネーストック(9/9)などがある。

 企業決算では、くら寿司、ファーマフーズ(9/6)、アイル、アイモバイル、モロゾフ、サトウ食品、トミタ電機(9/7)、積水ハウス、ステムリム、サムコ、スバル興、ミライアル、Bガレージ(9/8)、クミアイ化、日駐、シーイーシー、ハイレックス、ポールHD、丹青社、ソフトウェアサー、丸善CHI、オハラ、テンポスHD、gumi、鳥貴族HD、フリービット、エイチーム、トーホー、HEROZ、ケア21、エッジテクノ、ユークス、トビラシステム(9/9)などが発表を予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、OPECプラス会合(9/5)、米8月ISM非製造業指数(9/6)、中国8月貿易収支、米7月貿易収支、ベージュブック、米アップルによる新製品発表会(9/7)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)(9/8)、中国8月生産者物価指数、中国8月消費者物価指数(9/9)などがある。
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