株式明日の戦略-27500円は割り込まず小幅安、あすの値動きが大きくなる可能性

 5日の日経平均は4日続落。終値は31円安の27619円。前週末の米国株が大幅安となったことを受けて、売りが先行。ただ、寄り付きは2桁の下落にとどまり、下げ幅を3桁に広げても、節目の27500円に接近したところでは押し目を拾う動きが見られた。下値に関しては早い時間に固まったが、その一方で上値も重かった。前場ではプラス圏に接近すると売り直された。後場にはプラス圏に浮上する場面もあったが、その時間は短く、すぐに失速した。今晩の米国株が休場で様子見ムードも強い中、小幅な下落で取引を終終了。米長期金利が低下したことで新興グロース株が見直されており、マザーズ指数が強い動きを見せた。

 東証プライムの売買代金は概算で1兆9900億円と2兆円には届かず。業種別では石油・石炭、鉄鋼、鉱業などが上昇した一方、陸運、空運、輸送用機器などが下落した。東京大学との共同研究に関するリリースを手がかりに、プレミアアンチエイジング<4934.T>がストップ高。反面、今期は最終赤字に転落見込みとなり、減配も発表したじもとホールディングス<7161.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり687/値下がり1085。米金利の低下を受けてレーザーテックや日本電産などグロース株が堅調。投資有価証券の売却に伴い通期見通しを引き上げた凸版印刷が大幅高となり、売却対象になったと思われるリクルートも需給悪化懸念の後退で大幅高となった。ネクソンやクルーズなどゲーム株の一角が急騰。1:2の株式分割を発表したハリマビステムがストップ高まで買い進まれた。

 一方、8月の国内ユニクロ月次が好調であったファーストリテイリングは、買いが先行したもののマイナス圏に沈み、安値圏で終了。米金利低下がドル高一服を想起させ、ホンダ、SUBARU、デンソーなど自動車関連が軟調となった。OPECプラス会合を前に原油高への警戒が高まり、JALや鉄道株など運輸系銘柄の多くが下落。今期の減益計画を提示したゼネラルパッカーが大幅安となった。1Qは前年同期比では増収増益を達成したものの、通期の利益計画に対する進ちょく率が物足りなかったアインHDは、11%安と急落した。

 日経平均は4日続落。2日の米国株が雇用統計を好感していったん大きく上昇しながら引けでは大幅安となったため、ネガティブな反応が強めに出てくるとみていたが、27500円も割り込まず小幅な下落にとどまった。テクニカル面では今週は200日線(27486円、5日時点、以下同じ)や13週線(27459円)を割り込まずに推移できるかが大きな注目点となるため、きょうの安値が27511円までで、終値(27619円)で27600円台に乗せたことは安心材料。ただ、最近は米国株が1日休場となる際に、日本株は休場の日よりも次の日(今回であればあす6日)に値動きが大きくなることも多い。本日はOPECプラス会合がある。欧州株の反応を確認し、それを受けての米株先物なども見ながら動けるので、きょうよりも情報量が多い。あすは上にしても下にしても意外に値幅が大きく出る可能性がある点には留意しておきたい。
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