株式明日の戦略-後場は動意薄もプラスは確保、円安は外需買いをサポートするか

 6日の日経平均は5日ぶり反発。終値は6円高の27626円。前日終値近辺からスタートした後、序盤では強く買われる場面があり、27800円台まで上昇した。しかし、上げ幅を200円近くに広げたところで上値が重くなって急失速。一気にマイナス圏に沈んだ。ただ、下げたところでは深押しすることなく、27500円台までで踏みとどまった。前引けは一桁の上昇。後場は前場とは一変して、前日終値近辺で値幅が出なくなった。引けまでプラス圏とマイナス圏を行き来して、一桁の上昇で取り引きを終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆1200億円。業種別では精密機器、鉄鋼、非鉄金属などが上昇した一方、サービス、海運、空運などが下落した。上方修正と増配を発表したトーホー<8142.T>が急騰。反面、元専務ら2人が贈賄容疑で逮捕されたと多くのメディアで報じられたKADOKAWA<9468.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり883/値下がり850。日経平均銘柄入れ替えに絡んだ銘柄が賑わっており、新規に採用されたHOYAが大幅高。ユニチカは除外が決まったが、事前にそういった予想も出ていたことからアク抜け感が出てきて7%を超える上昇となった。ダブルスコープが商いを伴って急伸。月次が良かったABCマート、コックス、力の源が買いを集めた。

 一方、日経平均採用期待が高かったOLCが大幅安。採用銘柄となったSMCは上昇スタートも買いが続かず、2%を超える下落となった。メルカリが商いを伴って急落。OPECプラス会合の減産決定を受けて、JAL、ANAなど空運株や、西武HD、小田急など鉄道株、東電HDなど電力株がコスト高への警戒から売りに押された。アマゾンが処方薬のネット販売参入を検討していると伝わったことから、日本調剤やアインHDなど調剤薬局関連が急落。シダックスがオイシックスのTOBに反対の意見表明を出したことが嫌気され、両銘柄がそろって大幅安となった。

 日経平均は5日ぶりに反発。前場では値幅が出たが、後場は閉めても問題ないくらいの小動きであった。3桁高となる場面もあったことを踏まえると物足りなさもあるが、9月2日のダウ平均が337ドル安となったのに対して、日経平均は5日と6日で20円程度しか下げていないわけで、十分健闘したと言える。あすは休場明けの米国株の影響を大きく受けることになると思われるが、今週は8日にECB理事会が控えており、これを通過するまではグローバルマーケットも落ち着かないだろう。直近では欧州のエネルギー問題がクローズアップされており、欧州もインフレ抑制が至上命題となっている。足元でドル円は141円台に乗せてきた。ここから数日は日本と欧米の金利差拡大が強く意識されやすい中、円安期待を支えに外需株が存在感を出してくるかが注目される。
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