株式明日の戦略-前日の下げ分を取り戻す、ネットフリックスの決算に要注目

 18日の日経平均は大幅反発。終値は380円高の27156円。米国株高を受けて大幅高スタート。400円超上昇して27200円台に乗せたところで頭打ち感が出てきて急失速し、27000円を割り込んだ。ただ、26900円は割り込むことなく盛り返し、3桁高の状態は維持した。後場に入ると英中銀の量的引き締め延期観測が伝わったことで先物主導で買いが入り、強含む展開。再度上げ幅を400円超に広げても開始直後の高値は超えられず、終値も寄り付きを上回ることはできなかったが、場中に値を消した分の大半を取り戻し、300円を超える大幅高で終了した。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆7400億円。業種別では精密機器、サービス、医薬品などが上昇した一方、電気・ガス、鉱業、石油・石炭などが下落した。後場に入って半導体株の動きが良くなっており、レーザーテック<6920.T>が5%高。反面、きょうが新作ゲームのサービス開始日であったバンク・オブ・イノベーション<4393.T>は、前場では強く買われたものの、後場に入って目先の材料出尽くし感から急落し、7%を超える下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1587/値下がり208。自己株取得を発表したリクルートが5%高。ナスダックの大幅高を追い風に、前日大幅安となったエムスリーやメリカりなどに強い押し目買いが入った。ネットフリックス急伸からの連想で動画配信サービスを手掛けるUSENNEXTが人気化。グロース系で月次のリリースもあったラクスは12%高となった。上方修正を発表したSANKYOが年初来高値を更新。決算が好感されたマネーフォワードが全市場の値上がり率トップとなった。

 一方、ソフトバンクGが逆行安。INPEX、富士石油、ENEOSなど原油関連が弱かった。関西電力や中国電力など電力株はディフェンシブ性が敬遠されて全般軟調。円安が進行したものの、ホンダやSUBARUなど自動車株にはこれを好感できずに売られるものが散見された。幅広い銘柄に買いが入る中、直近で騰勢を強めていたRettyが利益確定売りに押されて大幅安となった。

 日経平均は大幅高。前日17日は314円下落したが、これを上回る上げ幅となった。前場で弱かった主力銘柄も後場には多くがプラス転換しており、1日を通してみれば強い動きであったと言える。後場に出てきた英国発の材料は先んじて織り込んでいるため、米国株がこれを好感して上昇したとしても、あすの日本株の買い材料にはならない。それでも、安値圏にある米国株が連日で上昇するようなら、グローバル市場でリスク回避姿勢が大きく後退するだろう。米国ではネットフリックスの決算が注目される。会員数に頭打ち感が出てきており、今年に入って株価は大きく調整している。17日には決算を見る前に急伸しており、失望決算が出てきたとしてもネガティブな反応は限られるかもしれないが、油断はできない。一方、決算が失望とはならなかった場合には、米国株の買い戻し機運が一段高まる展開が期待できる。日本株もこのタイミングでグロース株買いが盛り上がるようなら、好影響はグロースだけにとどまらず、全体の底上げが進む可能性が高い。
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