株式明日の戦略-伸び悩むも3桁の上昇、静かに200日線を上回る

 19日の日経平均は続伸。終値は101円高の27257円。米国株の大幅高や、ネットフリックスの時間外の急伸を好感して上昇スタート。前場では上げて萎んでという動きを繰り返しながら水準を切り上げ、高いところでは200円超上昇した。後場に入ると伸び悩み、じわじわと上げ幅を縮小。ただ、値幅はそれほど出なかったことから、後場の安値圏で取引を終えたものの、3桁の上昇となった。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆3700億円。業種別では電気・ガス、倉庫・運輸、不動産などが上昇した一方、鉱業、その他製品、医薬品などが下落した。前期の営業利益見通し引き上げや増配発表が好感されたインタースペース<2122.T>が急伸。反面、大株主である旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスの保有株一部売却が判明したクレディセゾン<8253.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1148/値下がり607。ソフトバンクGが3.7%高と主力株の中では目立った上昇。原発関連のニュースが多く、東電HDや九州電力など電力株が軒並み高となった。日経新聞で再エネに積極投資すると報じられたJパワー、リリースのあったエネチェンジなども強く、エネルギー関連買いが盛り上がった。前期の見通しを引き上げたアミファが一時ストップ高となるなど急騰。新作ゲームのセールスランキング好調を受けてバンクオブイノベーションがストップ高となった。

 一方、メルカリ、リクルート、任天堂、キーエンスなどグロース株の一角が軟調。証券会社が投資判断を引き下げたシマノが5%を超える下落となった。ラオックス、マツキヨココカラ、オープンドアなどインバウンド関連が大幅安。下方修正を発表したエーアイや、月次が失望を誘ったピープルが急落した。

 グロースにSBIリーシングサービスが新規上場。公開価格を1割近く上回る初値をつけたが、終値は初値を下回った。

 日経平均は続伸。ところどころで上値が抑えられ、引け味も良くはなかったが、「閑散に売りなし」で一度も下げに転じることなく推移した。米国では本日テスラが決算を発表予定。ネットフリックスの時間外の急伸はきょうの日本株の上昇にも貢献したが、テスラの決算も好感されるようなら、グロース株の見直し機運が高まるだろう。失望決算なら逆の反応が予想される。ただ、米国の主力グロース株の決算は来週に多く出てくることから、仮にテスラの決算がさえなくても、それだけでリスクオフムードが急速に高まるような流れにはならないと思われる。

 終値(27257円)では、わずかではあるが200日線(27247円、19日時点、以下同じ)を上回った。直近では10月6日にワンタッチしたところで跳ね返されて失速したが、今回はどうか。この上には75日線(27470円)などもあって戻り売りは出やすいゾーンではあるが、それだけに、これらの節目を明確に突破できれば、買いに勢いがつきやすい。きのう25日線、きょう200日線を超えて日本株に流れが来ているだけに、あすも大崩れすることなく強い基調を持続できるかに注目したい。
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