株式明日の戦略-大幅高も直近高値は超えられず、グロース株買いに弾みはつくか

 25日の日経平均は大幅続伸。終値は275円高の27250円。米国株の大幅高を好感して、寄り付きから3桁の上昇となり、節目の27000円を上回った。前場は寄り付き直後を安値に水準を切り上げる動きが続いた。ところどころで上値が抑えられながらも大きな失速はなく、上げ幅を200円超に拡大。中国株の動きが良くなったことから、後場は前引けから100円以上高く始まり、上げ幅を300円超に広げた。その中国株が伸び悩んだことから、その後は上げ幅を縮めたものの、それでも前引けよりは高い位置で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆7900億円。業種別では全33業種が上昇。薄く広く買われた感があるが、その中でも海運、ゴム製品、石油・石炭の3業種は2%を超える上昇となった。一方、小売、鉄鋼、その他製品などは小幅な上昇にとどまった。通期見通しを引き上げた円谷フィールズホールディングス<2767.T>が急騰。半面、上期が営業赤字となった光世証券<8617.T>が後場に入って急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1353/値下がり406。上期が計画上振れ着地となった日本電産が、全市場の売買代金トップ5入りする大商いで5%近い上昇。ソフトバンクGが下落スタートから切り返して3%を超える上昇と強い動きを見せた。海運大手3社のほか、キーエンス、KDDI、エーザイ、メルカリが大幅上昇。上方修正を発表した野村マイクロや東リが急伸した。新作ゲームを材料に人気化しているバンクオブイノベーションは買いが殺到してストップ高と比例配分となった。

 一方、中外製薬は3Qの大幅増益着地が好感されず3%を超える下落。下方修正を発表したニデックオーケーケーや、上期が営業減益着地となったトランコムが急落した。コーセー、ファンケル、資生堂など化粧品株が全般軟調。バンクオブイノベーションが爆騰している一方で、任天堂、スクエニ、コーエーテクモ、KLabなど他のゲーム株は全体株高の流れに乗れず下落した銘柄が多かった。

 日経平均は200円を超える上昇。きのうは高値から300円以上値を消して終えたが、きょうはそれを修正するかのように高く始まった後も上げ幅を広げた。ただ、きのう24日の高値が27308円、きょうの高値が27337円で、27300円台に乗せてくるとそこからは買いが続かなくなる。6日の高値が27399円、19日の高値が27371円と、10月は同様の傾向が続いているだけに、ここからもう一段上昇して直近高値を超えていけるかが目先の焦点となる。本日、米国ではアルファベットやマイクロソフトが決算を発表予定。足元では米国の10年債利回りが高止まりする中でも、米国のグロース株がしっかりとした動きを見せている。国内でも決算を発表した日本電産が大幅高となった。このままグロース株が大崩れすることなく、全体のリスク選好ムードを高める役割を果たしてくれるかに注目したい。
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