株式明日の戦略―大幅高で週間では4桁の上昇、株高期待の強い地合いが続くか
11日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は817円高の28263円。
日経平均はテクニカル面からは、きのうの時点で上か下かに大きな動きが出そうな雰囲気を醸し出していた。そして、きょうは上に大きな値幅が出た。800円を超える上昇で28000円も大きく上回ったが、業種別を見ると、33業種中、8業種が値下がりしている。指数がこれだけ上げた日に、値下がり業種が結構あった点は注目される。「この上昇がダマシなのでは?」という話ではない。全面高や全面安は、ものすごく相場が強い(弱い)というだけでなく、業種を選別する要素が乏しい「退屈な相場」でも発生し得る。日経平均が大幅高となった日に値下がり銘柄が多かったというのは、きょうが相場の転機であったからこそ、買って良い業種とそうでない業種がしっかり選別された可能性がある。
下げた業種は、(1)長期金利低下がネガティブとなる銀行、(2)ディフェンシブ色の強い水産・農林、食料品、建設、電気・ガス、(3)インバウンド関連の空運、陸運、(4)その他製品となっている。(4)のその他製品に関しては、個社要因が大きいと思われる。(1)と(2)はきょうの地合いでは売られる要素があるし、これらが下げるということは、金利低下によるリスクオン相場への期待が高まっていることの裏返しでもある。(3)のインバウンドはグロースもバリューも買えない時の逃避先といった側面も強かった。きょう全体の上昇に乗り切れなかった業種を見ると、今回のグロース株の上昇は本物のように思える。
【来週の見通し】
堅調か。米10月CPIを受けて米国の長期金利が急低下して米国株にも強い動きが見られたことから、リスク選好ムードの強い地合いが続くと予想する。15日にはG20首脳会議があり、その手前の14日では米中首脳会談が開催される予定。米中の対立が和らぐとの見方が強まった場合には、株式を買いやすい環境が一段と整う。米国では、小売(ホームデポ、ウォルマート、ターゲットなど)と半導体(エヌビディア、アプライド・マテリアルズなど)で注目企業の決算が出てくる。小売はコスト高が警戒されるが、半導体は足元の環境を踏まえると、期待の方が高まる可能性が高い。日経平均も今週、値幅を伴った上昇となったことで、下押す場面があれば買い遅れた投資家からの資金が入りやすい局面。弱材料よりも強材料への反応が大きく出ることで、指数はもう一段水準を切り上げるだろう。
【今週を振り返る】
堅調となった。中間選挙の手前で米国株に選挙後の株高を見越したような強い買いが入ったことから、日経平均は7日、8日と連日で大幅上昇。中間選挙では与党民主党の善戦が伝わったが、事前の予想に反していたこともあり、投開票後の9日、10日は強めに売られた。しかし、市場予想を下回る米10月CPIを受けて米長期金利が急低下し、米国株が急騰したことから、これを受けた11日に800円を超える上昇。週末値で節目の28000円を大きく上回った。日経平均は週間では約1063円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、7-9月期GDP速報値(11/15)、9月機械受注、10月訪日外国人客数(11/16)、10月貿易収支(11/17)、10月全国消費者物価指数(11/18)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国10月鉱工業生産、中国10月小売売上高、米10月生産者物価指数、米11月ニューヨーク連銀景気指数、G20首脳会議(インドネシア、~11/16)(11/15)、米10月小売売上高、米10月鉱工業生産、米11月NAHB住宅市場指数、米20年国債入札(11/16)、米10月住宅着工件数、米11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、英政府による財政計画発表(11/17)、米10月中古住宅販売(11/18)などがある。
米企業決算では、ホームデポ、ウォルマート(11/15)、ロウズ、ターゲット、エヌビディア(11/16)、アプライド・マテリアルズ、ギャップ、メーシーズ(11/17)が発表を予定している。
日経平均はテクニカル面からは、きのうの時点で上か下かに大きな動きが出そうな雰囲気を醸し出していた。そして、きょうは上に大きな値幅が出た。800円を超える上昇で28000円も大きく上回ったが、業種別を見ると、33業種中、8業種が値下がりしている。指数がこれだけ上げた日に、値下がり業種が結構あった点は注目される。「この上昇がダマシなのでは?」という話ではない。全面高や全面安は、ものすごく相場が強い(弱い)というだけでなく、業種を選別する要素が乏しい「退屈な相場」でも発生し得る。日経平均が大幅高となった日に値下がり銘柄が多かったというのは、きょうが相場の転機であったからこそ、買って良い業種とそうでない業種がしっかり選別された可能性がある。
下げた業種は、(1)長期金利低下がネガティブとなる銀行、(2)ディフェンシブ色の強い水産・農林、食料品、建設、電気・ガス、(3)インバウンド関連の空運、陸運、(4)その他製品となっている。(4)のその他製品に関しては、個社要因が大きいと思われる。(1)と(2)はきょうの地合いでは売られる要素があるし、これらが下げるということは、金利低下によるリスクオン相場への期待が高まっていることの裏返しでもある。(3)のインバウンドはグロースもバリューも買えない時の逃避先といった側面も強かった。きょう全体の上昇に乗り切れなかった業種を見ると、今回のグロース株の上昇は本物のように思える。
【来週の見通し】
堅調か。米10月CPIを受けて米国の長期金利が急低下して米国株にも強い動きが見られたことから、リスク選好ムードの強い地合いが続くと予想する。15日にはG20首脳会議があり、その手前の14日では米中首脳会談が開催される予定。米中の対立が和らぐとの見方が強まった場合には、株式を買いやすい環境が一段と整う。米国では、小売(ホームデポ、ウォルマート、ターゲットなど)と半導体(エヌビディア、アプライド・マテリアルズなど)で注目企業の決算が出てくる。小売はコスト高が警戒されるが、半導体は足元の環境を踏まえると、期待の方が高まる可能性が高い。日経平均も今週、値幅を伴った上昇となったことで、下押す場面があれば買い遅れた投資家からの資金が入りやすい局面。弱材料よりも強材料への反応が大きく出ることで、指数はもう一段水準を切り上げるだろう。
【今週を振り返る】
堅調となった。中間選挙の手前で米国株に選挙後の株高を見越したような強い買いが入ったことから、日経平均は7日、8日と連日で大幅上昇。中間選挙では与党民主党の善戦が伝わったが、事前の予想に反していたこともあり、投開票後の9日、10日は強めに売られた。しかし、市場予想を下回る米10月CPIを受けて米長期金利が急低下し、米国株が急騰したことから、これを受けた11日に800円を超える上昇。週末値で節目の28000円を大きく上回った。日経平均は週間では約1063円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、7-9月期GDP速報値(11/15)、9月機械受注、10月訪日外国人客数(11/16)、10月貿易収支(11/17)、10月全国消費者物価指数(11/18)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国10月鉱工業生産、中国10月小売売上高、米10月生産者物価指数、米11月ニューヨーク連銀景気指数、G20首脳会議(インドネシア、~11/16)(11/15)、米10月小売売上高、米10月鉱工業生産、米11月NAHB住宅市場指数、米20年国債入札(11/16)、米10月住宅着工件数、米11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、英政府による財政計画発表(11/17)、米10月中古住宅販売(11/18)などがある。
米企業決算では、ホームデポ、ウォルマート(11/15)、ロウズ、ターゲット、エヌビディア(11/16)、アプライド・マテリアルズ、ギャップ、メーシーズ(11/17)が発表を予定している。