NY為替見通し=米CPIの影響は根強く残り、ドルの上値は重いままか

 本日の米国はベテランズデーで債券市場が休場、株式や商品市場は通常通りの取引。米金利の動きという手がかりはないものの、その分だけ昨日の予想を下回った10月米消費者物価指数(CPI)の影響は根強く残り、米株を中心にリスクオン地合いが続くことになりそうだ。既にロンドン昼前には140円を割り込んでおり、ニューヨークタイムの為替市場もドルの上値は重いままか。

 CMEのFedWatchでは、次回12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)について、50ベーシスポイント(bp)引き上げが83%まで織り込まれた。過去4会合連続で75bp利上げを決定したところから、ペースを緩めるとの見通し。

 確かに、次回会合まで見極めるべき材料はまだ残っている。来週の10月米卸売物価指数(PPI)、来月初の10月PCEデフレーターや11月雇用統計などだ。ただ、総合やコアも含めたCPIの基調を見る限り、米連邦準備理事会(FRB)が若干なりともハト派に傾くと考えるのが妥当だろう。今後は来年以降のFOMCに対する思惑が市場を左右することになるか。FedWatchでは、(12月50bp利上げ後に)1月会合で「引き上げ幅 25bp/50bp」はまだ拮抗している。

 なお本日はミシガン大調べの11月消費者態度指数・速報値が発表予定。予想は59.5と前回から若干ながら弱いと見られている。また複数の欧州金融当局者、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、スペインやポルトガルの中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁などの講演が予定されている。

想定レンジ上限
・ドル円は本日東京時間の戻り高値142.48円、ユーロ円は昨日レンジの安値から61.8%戻し145.40円。

想定レンジ下限
・ドル円は日足一目均衡表・雲の下限138.16円、ユーロ円は昨日安値143.21円を割り込めば、次は10月13日安値141.78円。



(小針)
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