株式明日の戦略-ソフトバンクGは決算で急落、マザーズ指数は今年初の52週線超え

 14日の日経平均は大幅反落。終値は300円安の27963円。米国株の上昇を受けて小高く始まったものの、開始早々にマイナス転換。指数寄与度の大きいソフトバンクGが決算を受けて強く売り込まれたことから、全体でも買い手控えムードが強まった。前場のうちに下げ幅を3桁に拡大。マザーズ指数やグロースコア指数はナスダック高に強く反応して場中も上げ幅を広げたが、ソフトバンクGが安く始まった後も下値模索が続く中では、大型グロース株は敬遠された。28000円近辺では下げ渋る動きが見られたが、後場に入っても低空飛行が継続。終盤には28000円を割り込み、安値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8200億円。業種別では化学とガラス・土石の2業種のみが上昇しており、陸運が小幅な下落。一方、倉庫・運輸、情報・通信、パルプ・紙などの下げが大きかった。上方修正と期末配当見通しの引き上げを発表した平田機工<6258.T>がストップ高。半面、下方修正を発表したDOWAホールディングス<5714.T>がストップ安となった。ソフトバンクG<9984.T>は12.7%安と2桁の下落率となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり471/値下がり1326。ソフトバンクGの急落に水は差されたが、エムスリー、東京エレクトロン、日本電産など主力グロースの一角が強い上昇。資生堂は決算を好感した買いが続いて5%を超える上昇となった。アシックス、ダブルスコープ、ゼンショーHDなどが決算を材料に大幅高。グロース市場では、ウェルスナビやカオナビが決算を受けて急伸し、エネチェンジやマイクロ波化学がストップ高まで買い進まれた。

 一方、通期の営業利益見通しを引き下げたオリンパスが10.8%安。売買代金上位銘柄では同社とソフトバンクGの下げが突出した。NTTやKDDIなど通信株が軟調。外債の含み損が膨らんでいるとの日経観測を受けて、三菱UFJなどメガバンク3行が売りに押された。金融株にアゲインストの流れの中、減益決算を発表した三井住友トラストが5%安。決算を材料に下げがきつかった銘柄が多く、サントリーBFやパーソルHD、ツバキナカシマが急落。ミルボンがストップ安まで売り込まれた。

 日経平均は300円安。ソフトバンクGのマイナス寄与が約180円で、きょうに関しては同社の弱さが全体の重荷となった。決算発表銘柄の値動きが大きくなることは珍しくないし、同社は10月以降の動きがかなり強かった。あす以降は、仮に同社が売られ続けたとしても、全体への悪影響は限られるだろう。ソフトバンクGに関しても値幅の調整が一気に進んだだけに、米国株、特にナスダックの強い基調に変化がなければ、難なく切り返す展開も想定される。

 きょうはマザーズ指数やグロースコア指数が終日強かった。マザーズ指数は8月につけた直近高値を上回り、グロースコア指数も8月の戻り高値に接近している。国内の決算発表に関しては、きょうの引け後に出てくるものでほぼ一巡する。あすはまだ決算銘柄の派手な動きが目立つだろうが、その先は材料難となりやすい。そのような中で、中小型のグロース株を買いやすい地合いが整いつつあるのは良い流れ。マザーズ指数は週明けから52週線(759p、14日時点、14日終値は773p)を超えてきたが、これは今年初めてのこと。今週の動向が大きく注目される。
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