欧州マーケットダイジェスト・18日 株安・金利低下・円買い戻し

(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=128.80円(18日15時時点比▲2.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=139.06円(▲1.95円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0796ドル(△0.0017ドル)
FTSE100種総合株価指数:7830.70(前営業日比▲20.33)
ドイツ株式指数(DAX):15181.80(▲5.27)
10年物英国債利回り:3.314%(▲0.010%)
10年物独国債利回り:2.023%(▲0.068%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
12月英消費者物価指数(CPI)
前月比                0.4%       0.4%
前年比                10.5%      10.7%
CPIコア指数(前年比)         6.3%       6.3%
12月英小売物価指数(RPI)
前月比                0.6%       0.6%
前年比                13.4%      14.0%
12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                9.2%       9.2%
12月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                5.2%       5.2%
11月ユーロ圏建設支出
前月比                ▲0.8%     1.0%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はさえない。日銀が大規模な金融緩和策の維持を決めたことで、アジア市場では一時131.58円まで急伸したものの、欧米市場では戻り売りが優勢となった。日銀の政策修正観測は依然として根強く、戻りを売りたい向きは多かった。市場では「マーケット参加者は次回3月の会合や、次期日銀総裁による修正への警戒を強めるだろう」との声が聞かれた。
 NY市場に入ると、12月米小売売上高や12月米卸売物価指数(PPI)、12月米鉱工業生産が予想を下回ったことで全般ドル売りが活発化。米長期金利の低下に伴う売りも出て、一時127.57円と日通し安値を更新した。
 なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.3734%前後と昨年9月13日以来約4カ月ぶりの低水準を記録した。

・ユーロドルは上値が重かった。ビルロワドガロー仏中銀総裁が「ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の0.50%利上げガイダンスは依然として有効」などと発言すると、前日に伝わった「ECB当局者は利上げペースの減速を検討し始めている」との観測報道を否定したと受け止められ、ユーロ買いが先行した。
 NY市場では、米経済指標が軒並み低調な内容だったことを受けて、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。23時30分前に一時1.0887ドルと昨年4月以来9カ月ぶりの高値を更新した。
 ただ、買い一巡後は急速に伸び悩んだ。ダウ平均が一時470ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したことでリスク・オフのドル買いが強まり、一時1.0788ドル付近まで下押しした。

・ポンドドルは伸び悩み。12月英消費者物価指数(CPI)はほぼ予想通りの結果となったものの、伸び率は依然として高く、サービス部門の伸びは加速するなど、インフレ鈍化のスピードが遅いことが示唆された。英中銀(BOE)による利上げ継続を意識したポンド買い・ドル売りが優勢となり、一時1.2436ドルと約1カ月ぶりの高値を更新した。
 ただ、米国株の下落に伴うリスク・オフのドル買いが強まると1.2332ドル付近まで上げ幅を縮めた。

・ユーロ円は軟調。日銀は大規模な金融緩和策を維持したものの、いずれは修正に動くとの思惑は消えず、欧米市場では円買いが優勢となった。23時30分前には一時138.87円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は続落。12月英CPIはほぼ予想通りの結果となったが、伸び率は依然として高く、サービス部門の伸びは加速するなど、インフレ鈍化のスピードが遅いことが示唆された。高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されると、売りがやや優勢となった。

・フランクフルト株式相場は6日ぶりに小反落。「ドイツは今年、広く予想されているリセッション(景気後退)を回避することが可能」との見方が広がる中、この日も株買いが続いた。市場ではエネルギー価格の下落を背景に独経済の明るい見通しを示す声が増えているもよう。ただ、引けにかけては米国株の下落につれた売りが出たため下げに転じた。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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