欧州マーケットダイジェスト・20日 株高・金利上昇・円安

(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=129.73円(20日15時時点比△0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.68円(△0.73円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0843ドル(△0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:7770.59(前営業日比△23.30)
ドイツ株式指数(DAX):15033.56(△113.20)
10年物英国債利回り:3.378%(△0.103%)
10年物独国債利回り:2.177%(△0.112%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
12月英小売売上高(自動車燃料含む)
前月比                ▲1.0%    ▲0.5%・改
前年比                ▲5.8%    ▲5.7%・改
12月英小売売上高(自動車燃料除く)
前月比                ▲1.1%     ▲0.3%
前年比                ▲6.1%    ▲5.6%・改
12月独生産者物価指数(PPI)
前月比                ▲0.4%     ▲3.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。黒田東彦日銀総裁が世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「2%の物価目標を安定的、持続的に達成するため現在の極めて緩和的な金融政策を継続する」と改めて表明したことで全般円売りが先行。米10年債利回りが3.49%台まで上昇したこともドル買いを促し、23時過ぎに一時130.61円まで値を上げた。
 ただ、買い一巡後はやや伸び悩んだ。日銀の政策修正観測は依然として根強く、130円台では戻り売りなどが出たほか、アジア時間に付けた日通し安値128.36円から2円超上昇した反動でポジション調整目的の売りが出た。3時過ぎには129.49円付近まで下押しした。

・ユーロドルは下値が堅い。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測を背景にユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.0859ドルと日通し高値を付けたあとは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.0802ドルと日通し安値を更新した。ただ、NY午後に入ると再びユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.0850ドル付近まで持ち直した。
 なお、ラガルドECB総裁はダボス会議で「現状の道筋を続けることが、政策目的を果たすための私の信念」と述べ、当局はインフレとの闘いの手を緩めてはならないとの考えを改めて示した。

・ポンドドルは一時1.2336ドルまで下落した。12月英小売売上高が予想より弱い内容となったことでポンド売りが強まる場面があった。ユーロポンドも一時0.8786ポンドまでユーロ高・ポンド安が進む場面が見られた。

・ユーロ円はしっかり。黒田総裁が大規模緩和策の継続を再表明すると全般円売りが優勢となり、一時141.20円と日通し高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時161.29円、豪ドル円は90.44円、NZドル円は83.92円、カナダドル円は96.96円、スイスフラン円は141.57円まで値を上げた。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。このところ売られていた銘柄に押し目買いなどが入り4日ぶりに反発した。外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業を中心に買いが入り相場を押し上げた面もある。リオ・ティントやグレンコアなど素材株の上昇が目立ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。時間外のダウ先物の上昇などを好感して買いが先行。現物の米国株が底堅く推移したことも相場の支援材料となった。個別ではザランド(4.98%高)やコベストロ(2.53%高)、ドイツ銀行(1.94%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBの金融引き締め継続が再認識されると独国債に売りが出た。

(中村)
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