株式明日の戦略-主力銘柄の失望決算が指数を下押し、あすはトヨタの決算に注目

 8日の日経平均は続落。終値は79円安の27606円。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆7800億円。業種別では医薬品、石油・石炭、サービスなどが上昇した一方、その他製品、鉄鋼、繊維などが下落している。上方修正、増配、自己株取得枠拡大など好材料が多かったテレビ東京ホールディングス<9413.T>が急騰。反面、3Qが大幅な最終赤字となったソフトバンクGが5.1%安となり、1銘柄で日経平均を65円程度押し下げた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり993/値下がり744。米国でナスダックが強かったことから、アドバンテストやディスコなど半導体株が強い上昇。決算が好感されたメルカリが商いを伴って大幅高となった。協和キリン、スミダコーポ、クラボウなどが決算を材料に急伸。免疫生物研究所、ビープラッツ、ケアサービスがストップ高となるなど、前日に跳ねた銘柄を一段と買い上がる動きが観測された。

 一方、下方修正と期末配当見通しの引き下げを発表した任天堂が7.5%安。ソフトバンクGとともに日経平均を大きく押し下げた。今期は営業赤字に転落見込みとなったシャープが12.6%安、通期の経常利益見通しを下方修正した大阪チタニウムが9.2%安と、決算失望銘柄はたたき売られた。カメラを軸に新品だけでなく中古品も取り扱うシュッピンが業績関連のリリースを受けて急落しており、コメ兵やバリュエンスなどリユース関連が連想売りに押された。昨今の外食企業に対する迷惑行為の対応で監視カメラ需要が高まるとの思惑から動意づいていたセキュアが、大幅高から一転大幅安となって引けでは13.6%安と乱高下した。

 日経平均は続落。ソフトバンクGと任天堂のマイナス寄与分が80円程度あり、これできょうの下げ分(79円安)はほぼ説明できる。プライムでは値上がり銘柄の方が多く、TOPIXもプラスで終えており、日本株全体としてはそこまで弱くはなかった。ただ、米国株の上昇は好感できずに終えており、安値(27458円)では27500円を割り込んだ。月曜と火曜は27600円より上で推移できており、もみ合い上放れが期待できそうであったが、きょうは押し戻された格好となる。

 あす以降もまだ注目決算は多いが、来週火曜の14日には大方出そろう。決算発表が少なくなると個別の活況が期待しづらく、市場エネルギーの低下も懸念される。今週、残り2日で盛り返し、27500円より上を定着させたいところだ。

 あすはトヨタ<7203.T>が取引時間中、東京エレクトロン<8035.T>が引け後に決算を発表予定。これらの決算が挽回の材料となるかが注目される。また、きょうの下げが大きかったソフトバンクGや任天堂も、大幅安ではあったが安値は前場につけている。当面の売り出尽くしとなって反転してくるようなら、きょうとは逆の展開も期待できるだけに、この2銘柄のあすの値動きにも注目しておきたい。
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