ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ドル円、3日ぶり反発

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。終値は133.79円と前営業日NY終値(132.58円)と比べて1円21銭程度のドル高水準だった。3月米小売売上高や3月米輸入物価指数が予想を大きく下回ったことが伝わると全般ドル売りが先行し一時132.21円付近まで下げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し安値132.17円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレ率は依然として高すぎる」「金融政策はかなりの期間、市場の予想よりも長い期間、引き締まった状態に維持される必要がある」と発言したこともドル買いを誘った。
 米ミシガン大学が発表した4月消費者態度指数(速報値)が63.5と予想の62.0を上回り、併せて発表した消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが伝わるとドル買いが加速。2時前に一時133.84円と日通し高値を更新した。
 なお、ミシガン大が発表した消費者の期待インフレ率は1年先が4.6%と前月の3.6%から大幅に上昇し、予想の3.7%を大きく上回った。5年先は2.9%と市場予想通りの結果だった。

 ユーロドルは4日ぶりに反落。終値は1.0992ドルと前営業日NY終値(1.1046ドル)と比べて0.0054ドル程度のユーロ安水準だった。低調な米小売指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1073ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた約1年ぶりの高値1.1076ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。ウォラーFRB理事のタカ派的な発言やミシガン期待インフレ率の上振れでドル買いが活発化すると一時1.0972ドルと日通し安値を更新した。
 市場では「欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーからは利上げ継続の主張が相次いで伝わり、1年ぶりのユーロ高水準を記録していただけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが出た」との声が聞かれた。

 ユーロ円は7日続伸。終値は147.04円と前営業日NY終値(146.46円)と比べて58銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入り一時147.16円と昨年10月31日以来の高値を付けた。ただ、ユーロドルの下落につれた売りも出たため上昇のスピードは緩やかだった。

本日の参考レンジ
ドル円:132.17円 - 133.84円
ユーロドル:1.0972ドル - 1.1076ドル
ユーロ円:146.24円 - 147.16円

(中村)
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