欧州マーケットダイジェスト・18日 株高・ドル安

(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.10円(18日15時時点比▲0.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=147.08円(△0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0968ドル(△0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:7909.44(前営業日比△29.93)
ドイツ株式指数(DAX):15882.67(△93.14)
10年物英国債利回り:3.747%(△0.056%)
10年物独国債利回り:2.477%(△0.004%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月英雇用統計
失業率                3.9%      3.8%
失業保険申請件数          2.82万件   ▲1.88万件・改
12-2月英失業率(ILO方式)      3.8%       3.7%
4月独ZEW景況感指数          4.1       13.0
4月ユーロ圏ZEW景況感指数       6.4       10.0

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。独株が1年3カ月ぶり高値を付け、仏株が過去最高値を記録するなど、欧州株相場が堅調に推移すると投資家のリスク許容度が高まりユーロ買い・ドル売りが先行。ポンドや豪ドルに対してドル売りが進んだ影響も受け、一時1.0983ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、買い一巡後はやや上値が重くなった。ブラード米セントルイス連銀総裁が「インフレは根強く利上げ継続が適切」「制限的な政策金利は5.5%から5.75%の範囲と見込む」と発言したほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「あと1回の利上げを予想」「米連邦準備理事会(FRB)はかなりの期間、金利水準を維持すると予想」と述べたことなどが相場の重しとなった。
 なお、豪ドル米ドルは一時0.6747米ドルまで値を上げた。アジア時間発表の豪準備銀行(RBA)議事要旨や中国の良好な経済指標を背景に豪ドル買いが優勢となった。

・ポンドドルは一時1.2450ドルまで上昇した。3月英雇用統計では失業率が3.9%と前回の3.8%から悪化したほか、失業保険申請件数が2.82万件増と増加に転じ、12-2月失業率(ILO方式)は3.8%と予想の3.7%より弱い結果となった。一方、平均賃金は前年比5.9%上昇と予想の5.1%を大きく上回った。英中銀(BOE)がインフレ要因として注目する賃金の伸びを受けて、市場では追加利上げ観測が強まった。

・ドル円は弱含み。欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル売りが先行すると、円に対してもドル売りが進んだ。米10年債利回りが3.54%台まで低下したことも相場の重しとなり、21時前に一時133.86円と日通し安値を付けた。
 ただ、前日の安値133.63円が目先サポートとして働くと下げ渋った。FRB高官から利上げ継続の主張が相次いで伝わったことも相場を下支えし、一時134.32円付近まで下げ幅を縮めた。もっとも、米10年債利回りが再び低下すると上値が重くなった。

・ユーロ円は方向感に乏しい展開だった。日本時間夕刻に一時147.38円と日通し高値を付けたものの、前日の高値147.45円がレジスタンスとして意識されると失速。24時過ぎには146.80円付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値146.73円がサポートとして働くと下げ渋った。

・ロンドン株式相場は8日続伸し、3月8日以来約1カ月ぶりの高値で取引を終えた。米景気の先行き懸念が後退し、前日の米国株相場が上昇したことが投資家心理の支えとなった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株の上昇が目立ったほか、ロイズ・バンキングやスタンダードチャータードなど金融株に買いが入った。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。

・フランクフルト株式相場は反発し、昨年1月以来1年3カ月ぶりの高値となった。前日の米国株や本日の日本株が上昇した流れを引き継いで買いが優勢となった。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(3.54%高)やコメルツ銀行(3.35%高)、ブレンターク(2.87%高)などの上昇が目立った。
 フランスの代表的な株式指数であるCAC40指数は0.47%高となり、過去最高値を更新した。

・欧州債券相場は下落。株高を受けた。

(中村)
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