NY為替見通し=4月カナダCPIと複数のFRB高官の発言に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米10年債利回りの動向を注視しながら、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を見極めていく展開となる。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ開始時期は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)となっており、12月のFOMCでも追加利下げが見込まれている。

 昨日は、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ウォラーFRB理事、ジェファーソンFRB副議長、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が、インフレ鈍化に対して慎重なスタンスを表明したことで、米10年債利回りの上昇とドル買い要因となった。

 本日は、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長の発言が予定されているが、同様のタカ派的な見解が予想される。

 4月カナダ消費者物価指数(CPI)は前月比+0.6%、前年比+2.7%と予想されており、4カ月連続で3%を下回ることが見込まれている。カナダ中銀(BOC)が重視しているCPIトリムと中央値は、4カ月連続の鈍化が見込まれている。

 カナダのインフレ率が予想通りに鈍化していた場合、来月5日のBOC金融政策決定会合で0.25%の利下げ観測が高まることになる。更にCPIが予想を下回っていた場合は、6月を含めた年内5回の会合で、現在2回までとされている利下げが、3回目を織り込みに行く可能性もあるため要注目か。


・想定レンジ上限
 ドル円:157.99円  (5/1高値)
 加ドル円:115.21円(ピポット・レジスタンス)

・想定レンジ下限
 ドル円:155.17円(日足一目均衡表・転換線)
 加ドル円:113.90円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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