NYマーケットダイジェスト・11日 株高・金利上昇・ドル底堅い

(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.36円(前営業日比▲0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.78円(▲0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1012ドル(▲0.0008ドル)
ダウ工業株30種平均:40861.71ドル(△124.75ドル)
ナスダック総合株価指数:17395.53(△369.65)
10年物米国債利回り:3.65%(△0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=67.31ドル(△1.56ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2542.4ドル(▲0.7ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら続落。米労働省が発表した8月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%/前年比2.5%と予想の前月比0.2%/前年比2.6%を前年比で下回った。一方、エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.3%/前年比3.2%と予想の前月比0.2%/前年比3.2%を前月比で上回り、米連邦準備理事会(FRB)が注目しているスーパーコア(住居費を除くサービス)は2カ月連続で加速した。この結果を受けて、米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが活発化。22時前に一時142.54円と日通し高値を更新した。
 米CPI発表直後に3.68%台まで上昇した米10年債利回りが低下に転じると、ドル円にも売りが出て141.25円付近まで下押しした。ダウ平均が一時740ドル超下落したほか、日経平均先物が大証終値比360円安の3万5410円まで急落したことも相場の重しとなった。
 ただ、米10年債利回りが再び上昇に転じるとドルを買い戻す動きが優勢に。ダウ平均や日経平均先物が持ち直し、底堅く推移したことも相場の支援材料となり、5時過ぎには142.46円付近まで値を戻した。

・ユーロドルは小幅ながら4日続落。米CPIの結果を受けて米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが先行。24時前に一時1.1002ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は1.10ドル台前半で徐々に値動きが鈍った。明日12日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。

・ユーロ円も小幅続落。22時過ぎに一時156.98円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.02円が目先レジスタンスとして意識されると失速。米国株や日経平均先物が下落したタイミングでリスク回避の円買いが強まると一時155.46円と日通し安値を更新した。
 ただ、米国株や日経平均先物が持ち直すとユーロ円にも買い戻しが入り、156.95円付近まで値を戻している。なお、日経平均先物は引けにかけて買いが強まり、大証終値比860円高の3万6630円まで急伸した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。8月米CPIを受けて「物価が期待したほど鈍化しなかった」との見方が広がると失望売りが膨らみ、指数は一時740ドル超下落した。ただ、売り一巡後はハイテク株中心に買いが集まり、相場は上昇に転じた。市場では「CPIを受けて売りが先行したが、短期的に下げが目立っているハイテク株に押し目買いが入った」との声が聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは7日ぶりに反落。8月米CPIの結果を受けて米大幅利下げ観測が後退すると売りが優勢となった。
 米国株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債が買われ、上昇に転じる場面もあったが、米国株が持ち直したため買いは長続きしなかった。

・原油先物相場は反発。米石油生産施設が多く集まるメキシコ湾岸へのハリケーン接近などを理由に、前日の下落に対する修正の買い戻しが入った。ただ、米エネルギー省(EIA)発表の週間石油在庫(9/6時点)で原油在庫が+83.3万バレル(前週 -687.3万バレル)と積み増しへ転じたことを嫌気して一時66ドル割れとなるなど、弱い動きを見せる場面もあり動意は安定しなかった。

・金先物相場は先週末以来3営業日ぶりに小反落。金利が付かない資産である金は、米CPI発表局面の米金利動向をにらみつつ、相対的な投資妙味を意識して上下。CPI発表直後の金利上昇を受けて2529ドルまで下落が先行した。米金利が上昇幅を縮小すると一時2549ドルまで反発する場面も。しかしやや押し戻され、前日比マイナス圏へ沈んだ。

(中村)
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