ロンドン為替見通し=欧州通貨、リスクセンチメントの強弱に振らされる展開か

 本日のロンドン為替市場では市場のリスクセンチメントの強弱に振らされる展開か。昨日でひとまず主要中銀の金融政策が出そろい、欧州通貨の対ドル動向は結局、米金利次第というのが1日を終えて明らかになった。アジア株の軟調さが欧州株に引き継がれるか、また時間外の米債利回りなどに目を向けた取引となりそうだ。

 経済指標はロンドン早朝に5月英小売売上高がまず発表予定。インフレ高止まりの煽りを受けて消費行動が停滞傾向であり、前月比は総合・除自動車ともにマイナス予想。前年比は減少幅を縮めるもののマイナスは確実視されており、さえなさ度を測ることになりそうだ。

 その後に、仏独ユーロ圏そして英国の6月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。景況判断の境目50を割り込んだ推移が続く製造業の弱さは織り込み済みか。これまで好調だったサービス部門の伸び悩み予想が気になるところだろう。
 
 欧州PMIの前にはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が予定されている。既に7月理事会での利上げについては言及しているが、昨日の英・ノルウェー中銀の大幅利上げを受けて、ECBの上げ幅拡大の可能性について述べるか注視したい。

 他、アジア午前から史上最安値を更新中のトルコリラは荒い値動きが続きそうだ。2年3カ月ぶりに利上げに踏み切ったトルコ中銀だが、上げ幅が不十分と市場の失望を誘うだけとなった。トルコの新財務相・中銀総裁にとっては厳しい船出となり、今後は新たな一手を打ち出してくるのか注目される。

想定レンジ上限
・ユーロドル、ポンドドルとも昨日高値1.1012ドルと1.2837ドル。
・リラ円は9日安値5.84円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.0884ドル、ポンドドルは15日安値1.2630ドル。
・リラ円は5円が意識されつつある。


(小針)
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