ニューヨーク外国為替市場概況・8日 ドル円、続伸

 8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は149.32円と前営業日NY終値(148.18円)と比べて1円14銭程度のドル高水準だった。内田真一日銀副総裁が東京時間に「仮にマイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」と発言したことを受けて、日銀の低金利政策が続くとの見方が強まると、海外市場に入っても円売りが続いた。
 一方、堅調な米雇用情勢などを背景に米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は後退しており、ドルは引き続き買われやすい地合いとなった。1時前には一時149.48円と昨年11月27日以来の高値を付けた。

 ユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0778ドルと前営業日NY終値(1.0772ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ高水準となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.16%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。前日の安値1.0752ドルを下抜けて一時1.0742ドルまで値を下げた。前週分の米新規失業保険申請件数が21.8万件と予想の22.0万件より強い内容だったこともユーロ売り・ドル買いを促した。
 ただ、5・6日の安値1.0723ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ユーロ円の上昇につれた買いも入ると、1.0783ドル付近まで持ち直した。欧州中央銀行(ECB)高官から早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだことも相場の支援材料。
 なお、ウンシュ・ベルギー中銀総裁は「賃金上昇が利下げを阻んでいる」と述べたほか、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストは「2%目標への道筋確保には一段のディスインフレが必要」などと発言。また、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は「ECBが今年利下げしない可能性は確かにある」と話した。

 ユーロ円は続伸。終値は160.94円と前営業日NY終値(159.62円)と比べて1円32銭程度のユーロ高水準。内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も緩和的な金融環境が続くとの見解を示したことで、海外市場でも円安が進んだ。5時30分前には一時160.99円と本日高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時188.49円、豪ドル円は97.04円、NZドル円は91.04円、カナダドル円は111.04円、スイスフラン円は170.96円、南アフリカランド円は7.89円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:147.93円 - 149.48円
ユーロドル:1.0742ドル - 1.0789ドル
ユーロ円:159.47円 - 160.99円

(中村)
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