ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、3日ぶり小反落

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに小反落。終値は149.29円と前営業日NY終値(149.32円)と比べて3銭程度のドル安水準だった。日銀の低金利政策が続くとの見方が強まる一方、堅調な米雇用情勢などを背景に米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は後退しており、円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。欧州市場では一時149.58円と昨年11月27日以来の高値を付ける場面があった。
 NY市場では売買が交錯したものの、大きな方向感は出なかった。米労働省の労働統計局(BLS)が2023年12月米消費者物価指数(CPI)の前月比上昇率を0.3%から0.2%に下方修正したこと伝わると全般ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時149.02円と日通し安値を付けた。
 ただ、米10年債利回りが上昇に転じ、4.19%台まで上げるとドル円にも買い戻しが入り149.40円台まで持ち直した。
 なお、ローガン米ダラス連銀総裁は講演で「インフレに関しては大きな進展があったが、やるべきことはさらにある」「データを確認するのに時間がかかる」「金利調整の緊急性は見られない」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制した。

 ユーロドルは小幅ながら4日続伸。終値は1.0784ドルと前営業日NY終値(1.0778ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ高水準となった。米CPIの下方改定などを受けて全般ドル売りが先行すると一時1.0795ドルと日通し高値を付けたものの、反応は一時的だった。そのあとは新規材料難から様子見ムードが広がると、1.07ドル台後半での狭いレンジ取引に終始した。

 ユーロ円は小幅に3日続伸。終値は161.00円と前営業日NY終値(160.94円)と比べて6銭程度のユーロ高水準。欧州市場では一時161.26円と日通し高値を付けたあと160.77円の本日安値まで下落した。NY市場では新規材料難から様子見ムードが広がり、161.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。

本日の参考レンジ
ドル円:149.02円 - 149.58円
ユーロドル:1.0762ドル - 1.0795ドル
ユーロ円:160.77円 - 161.26円

(中村)
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