ロンドン為替見通し=イベント少なくレンジ予想、フランスの政局に要警戒

 本日の欧州市場では、ノルウェー(CPI)とトルコ(鉱工業生産と失業率)からは注目すべき経済指標が発表されるが、ユーロ圏からは主だった経済指標の発表が予定されていないことで、大きくレンジを伴って動くのは難しそうだ。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が下院で行われるが、昨日の上院での証言よりもサプライズとなるようなものを期待しにくいこと、そして明日は米国の6月消費者物価指数(CPI)が発表されることで、米国勢参入後も動意薄になりそうだ。

 もっとも、フランスの政局動向はユーロにとってのリスク要因として残る。昨日米格付け会社ムーディーズが、仏下院選挙の結果は同国の信用格付けにとってマイナスだと警告した。報道では「行き詰まり(deadlock)」と報じられるなど進展がない。現時点では首相が誰になるかが注目されているが、マクロン大統領はアタル首相の辞任を受け入れず、当面の留任を要請している。ムーディーズは「大連立政権が樹立されれば意思決定や債務管理がより困難になる」との見方を示したように、妥協も許されない状況下で、政局の動向次第でユーロが急変する可能性もある。
 
想定レンジ上限
・ユーロドル:8日高値1.0845ドル。その上は6月6・7日高値1.0902ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:4日安値で日足一目均衡表・基準線もある1.0784ドル。その下は日足一目均衡表・雲下限1.0759ドル。


(松井)
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