欧州マーケットダイジェスト・17日 株まちまち・円高・ドル安

(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.46円(17日15時時点比▲1.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.03円(▲1.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0931ドル(△0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8187.46(前営業日比△22.56)
ドイツ株式指数(DAX):18437.30(▲80.73)
10年物英国債利回り:4.076%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.421%(▲0.006%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
6月英消費者物価指数(CPI)
(前月比)    0.1%      0.3%
(前年比)    2.0%      2.0%
CPIコア指数
(前年比)    3.5%      3.5%
6月英小売物価指数(RPI)
(前月比)    0.2%      0.4%
(前年比)    2.9%      3.0%
6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比)    2.5%      2.5%
6月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比)    2.9%      2.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下落。米大統領選の共和党候補に指名されたトランプ前大統領が通信社とのインタビューで「米国はドル高により大きな問題を抱えている」と述べ、足もとのドル高をけん制したほか、河野太郎デジタル相が円安是正のため、日銀に政策金利を引き上げるよう求めたと伝わると、円買い・ドル売りが優勢となった。18時前に一時156.10円と6月12日以来の安値を付けた。
 20時過ぎには156.80円付近まで下げ渋る場面もあったが、政府・日銀による為替介入への警戒も根強く、戻りは鈍かった。なお、市場では「政府・日銀が新たな為替介入を実施した」との観測が浮上した一方、「実際に介入が行われたかどうかは判断が難しい。現時点では介入を示唆するようなフローデータは見られない」との声が聞かれた。

・ユーロドルは上昇。トランプ前米大統領が足もとのドル高をけん制したことを手掛かりに全般ドル売りが進行。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「今後数カ月以内に金利引き下げが正当化される可能性がある」と述べたほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「最近のデータで2%の物価目標達成にさらに自信が持つことができた」「利下げが正当化される時期に近づいている」と発言したこともドル売りを促し、22時30分過ぎに一時1.0948ドルと3月14日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。

・ユーロ円は軟調。河野デジタル相が日銀に利上げを求めたことで円買いが入ったほか、日米株価指数の軟調推移がリスク回避の円買いを促した。2時前には一時170.71円と6月25日以来の安値を更新した。
 なお、半導体の対中規制強化に対する警戒感から、米株式市場でハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は2.8%超の急落となった。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比890円安の4万0190円まで大幅下落した。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。本日のアジア株式相場がさえない展開となった流れを引き継いで売りが先行したものの、引けにかけては買い戻しが優勢となり上げに転じた。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、ブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続落。時間外の米株価指数先物の下落を受けて投資家心理が悪化すると売りが優勢となった。18日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に、投資家の様子見姿勢も強い。個別ではラインメタル(5.78%安)やシーメンス・エナジー(4.36%安)、SAP(2.12%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。