欧州マーケットダイジェスト・20日 株安・金利低下・ドル安

(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.47円(20日15時時点比▲0.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.78円(▲0.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0488ドル(△0.0061ドル)
FTSE100種総合株価指数:8662.97(前営業日比▲49.56)
ドイツ株式指数(DAX):22314.65(▲118.98)
10年物英国債利回り:4.607%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.534%(▲0.023%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
1月独生産者物価指数(PPI)
(前月比)   ▲0.1%     ▲0.1%
12月ユーロ圏建設支出
(前月比)    0.0%     0.6%・改
(前年比)   ▲0.1%     0.3%・改
2月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値)   ▲13.6      ▲14.2

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は軟調。日銀の早期追加利上げ観測が根強い中、全般円買いが先行。市場では「明日21日に発表される1月全国消費者物価指数(CPI)の上振れが警戒されている」との声も聞かれた。
 NYの取引時間帯に入ると、2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、1月米景気先行指標総合指数が軒並み予想より弱い内容だったことが伝わり、米長期金利が低下。全般ドル売りが活発化し、2時30分過ぎに一時149.40円と昨年12月6日以来の安値を更新した。
 なお、ベッセント米財務長官は米長期債の発行増について「まだ遠い先のことだ」と言明。米国債相場の上昇(金利は低下)を促した。

・ユーロドルは上昇。しばらくは1.04ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると強含んだ。ベッセント米財務長官の発言や米経済指標の下振れを受けて米長期金利が低下すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢に。前日の高値1.0461ドルを上抜けて一時1.0495ドルまで値を上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.40まで低下した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁は「関税で物価が上がれば、FOMCは考慮する必要」と述べたほか、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「インフレが停滞するリスクは雇用市場が軟化するよりも大きい」「インフレが停滞し、上振れするリスクがある」と話した。

・ユーロ円は一進一退。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入ったため、相場はもみ合いの展開となった。日本時間夕刻に一時156.32円と日通し安値を付けたあとは156.99円付近まで下げ渋ったものの、NY市場に入り再び下落。24時過ぎに156.32円まで押し戻された。ただ、そのあとは156円台後半まで下げ渋った。

・ロンドン株式相場は続落。時間外のダウ先物の下落などが嫌気されて、英株にも売りが出た。米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感も相場の重し。BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続落。小幅に反発して始まったものの、米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感は根強く、次第に売りに押された。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(4.65%安)やラインメタル(4.63%安)、メルセデス・ベンツグループ(2.53%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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