ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ドル円、反発

 29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は142.33円と前営業日NY終値(142.01円)と比べて32銭程度のドル高水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。21時前に一時142.76円と日通し高値を更新した。米関税交渉の進展期待もドル買いを誘った。
 ただ、買い一巡後は上値が重くなった。3月米卸売在庫や2月米ケース・シラー住宅価格指数、3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、4月米消費者信頼感指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると円買い・ドル売りが優勢に。前日の安値141.99円を下抜けて一時141.97円まで値を下げた。米10年債利回りが4.16%台まで低下したことも相場の重し。
 もっとも、一目均衡表転換線が位置する141.96円付近がサポートとして意識されると持ち直した。ダウ平均が一時400ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。
 なお、ベッセント米財務長官は「貿易交渉を巡りインドとの取引成立が近づいている」「日本との交渉についても実質的な協議を進めている」と述べたほか、ラトニック米商務長官は「国名は明かさないが、承認待ちの貿易合意がある」と話した。

 ユーロドルは反落。終値は1.1387ドルと前営業日NY終値(1.1420ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ安水準となった。21時30分前に一時1.1370ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1330ドルがサポートとして働くと徐々に下値を切り上げた。低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進むと1.1419ドル付近まで持ち直した。ただ、オセアニア時間に付けた日通し高値1.1422ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速。3時30分前には1.1376ドル付近まで押し戻された。

 ユーロ円は続落。終値は162.08円と前営業日NY終値(162.24円)と比べて16銭程度のユーロ安水準。ドル円の下落につれた売りが出たほか、豪ドル円などオセアニアのクロス円が下落した影響を受けた。ユーロドルの失速も相場の重しとなり、2時過ぎには一時161.89円と本日安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:141.97円 - 142.76円
ユーロドル:1.1370ドル - 1.1422ドル
ユーロ円:161.89円 - 162.55円

(中村)
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