ロンドン為替見通し=主要中銀の会合を1週間後に控え、欧州通貨は方向感掴みづらい

 本日のロンドン為替市場で欧州通貨は、1週間後に欧州の主要中銀による金融政策発表を控えて方向感が掴みづらい展開か。また、昨日のプーチン露大統領の発言を巡り高まった地政学リスクにも依然として注意が必要だろう。

 来週は15日に、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)、イングランド銀行(英中銀、BOE)、そして欧州中央銀行(ECB)が政策金利を公表する。北米ではインフレ鈍化の兆しが見えているため、利上げ減速に傾いている一方、欧州では物価上昇率が高止まりしているため、引き締めの手綱を緩めるのはもう少し時間がかかるだろう。BOEは11月初め、ECBが10月末に会合を開いているが、9月以来の金利発表となるSNBの動向がより注目されそうだ。

 なお欧州午後にはラガルドECB総裁、スペインやフランスの中銀総裁による講演が予定されている。市場の思惑を偏らせないため、曖昧な発言に留まる可能性は高そうだ。ただし今後の見通しが語られるようならば素直に聞く必要があるだろう。

 昨日はプーチン露大統領が大統領府・人権評議会で述べた「世界で核戦争のリスクが上昇しつつある」がリスク要因とされた。一部メディアが報じたところによるとプーチン大統領は、評議会委員が求めた「核の先制不使用の宣言」も拒否。ウクライナへの露軍侵攻が想定以上に長期化・泥沼化しており、プーチンの焦りが見て取れる。

 核使用に直ぐに踏み切るほど露大統領が浅はかだとは思わないが、怖いのは開き直ったとときだろう。暫くは、ロシアに絡んだ地政学リスクに敏感なスイスフランの動向には目を向けておく必要がありそうだ。昨日はプーチン発言が伝わった後、フラン買いユーロ売りに傾く場面があった。

想定レンジ上限
・ユーロドルは5日高値1.0595ドル、ユーロスイスフランは11月8・9日高値1.0937フラン。

想定レンジ下限
・ユーロドルは昨日安値/日足一目均衡表・転換線の1.0443ドル、ユーロスイスフランは日足一目均衡表・雲の上限0.9800フラン

(小針)
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