ロンドン為替見通し=ウクライナ情勢に要警戒か、本日からECBはブラックアウト入り

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、本日から2月2日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けてECB 高官の発言が控えられるブラックアウト期間に入ることで、注目ポイントは、金融政策からウクライナを巡る地政学リスクに移ることになる。

 2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ幅が0.25%に低下することが予想されており、2月2日の欧州中央銀行(ECB)理事会では0.50%の追加利上げが見込まれていることで、ECBとFRBの利上げ幅の縮小観測がユーロドルの押し上げ要因となっている。

 本日は、米国が主力戦車「M1エーブラムス」をウクライナに供与すると発表し、ドイツも主力戦車「レオパルト2」の供与を表明したことで、ロシア側の反応に警戒する展開となる。ロシアは、「紛争を新たな対立のレベルにまで引き上げるものだ」と主張しており、ペスコフ露大統領報道官はかつて「ロシアが存亡の危機に直面すれば、核兵器使用は可能だ」と警告していた。ドイツがレオパルト2の提供を躊躇ってきたのは、ナチス時代の反省から攻撃的兵器の輸出に抵抗があること、ウクライナが優勢になった場合は、プーチン露大統領が核兵器を使うかもしれないという恐怖心が根底にあった。

 ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、ドイツと米国がウクライナへの主力戦車の提供を発表したことを受け、ロシアの侵攻に対抗する「近代的な戦車連合」が実現したと歓迎している。しかし、戦車連合がゲームチェンジャーになった場合、「ロシアの核抑止に関する基本原則」により、戦術核の使用に踏み切る可能性が高まることで、関連ヘッドラインに警戒しておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1054ドル(2022/4/4高値)
・ユーロ円:142.77円(日足一目均衡表・雲の下限)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0847ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:140.11円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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